国内

勝谷誠彦氏 日本の本当の姿を隠す“自虐世論”を捨てよ!

 新聞を開いても、テレビのニュースをつけても、入ってくるのはネガティブな情報ばかり。今の日本は政治、経済、外交どの分野でも明るい話題は少ない。しかし、実は海外からはそうは見られていないのである。『メルマガNEWSポストセブンVol.37』にてコラムニストの勝谷誠彦氏が、外国人たちがうらやむ日本の本当の姿を隠す“自虐世論”について指摘している。ここでは2回に分けてその全文を公開する

 * * *
 この一ヶ月、地方での講演が続いた。多い時には週に四回である。
 ミュージシャンの間でもいまライブが急増しているというが、頭の悪いメディアが間に入り込むことに人々があきあきしはじめているのだろう。演ずる側としても、妙な演出や編集をされるよりも、本当のところを伝えることができる満足感がある。ただの多弁なオッサンである私にしても同じだ。

 ありがたいことに、ほとんどの会場が満席だった。1000人1500人入るようなホールも、である。多くは平日の昼間だ。そこにやって来て下さるのだからありがたい。

 回数を重ねるうちに、私は妙な感覚にとらわれはじめていた。地方都市で朝、目覚める。つけたテレビのニュースもコンビニで買ってきた新聞も「日本はダメだダメだ」「中国や韓国は勢いがいい」「それらの国にあれこれイヤガラセをされても、反撃できない日本は情け無い」と朝からトホホと下を向くようなことばかりを報じている。

 しかし、そのあと講演会場に入ると、埋めつくした人々からは元気のオーラが押し寄せてくるのである。よく笑い、よく頷く。そもそも仕事をしばし休んで、私のような馬鹿の話を聞きに行こうと考えることができるのは、実は大いなる余裕があるからだ。客層を見ても、リタイアされた人や主婦だけではない。若い人もいれば、管理職や経営者らしき方々も見受けられる。

「ひょっとすると…」と、ある時私は立ち止まって考えたのだった。「日本国はいま、かなり元気なのではないか。世界の中でも恵まれた国ではないのか」と。

 ニュースで主に報じられるのは、いつの時代にも絶えない事件や事故を除くと、政治、経済、外交などだ。考えてみれば、こうした分野は日本で、いや世界でももっともダメな連中がやっているのである。わが国の歴史上と言ってもいい。極道の媒酌をする法務大臣も屑ならば、ろくに身体検査もせずに任命した首相はアホだ。あの下品な顔の経団連会長は中国詣でをしては土下座をし、自国の外交に口を挟む。その外交はと言えば、信じられないことにくだんの卑怯者の中国大使はまだ居すわっているどころか、大学でもっと中国の顔色を見ろと教えている。

 これらを伝える大マスコミが最低なのは言うまでもない。iPS細胞で詐話師にまんまと騙され、橋下徹大阪市長にいいようにやりこめられ、新聞週間のはじまった日に一斉に休刊する。談合カルテルの面目躍如だ。そこで開いた新聞大会で言うにことかいて「自分らの消費税はまけてくれ」?最低だね。

 こうして出来上がるのが「自虐世論」なのである。自虐なのは過去の歴史に対してだけではなかったのだ。いま現在のこの社会についても「私たちはダメだダメだ」と大マスコミは喚き続けて、いつのまにか人々は「そうかなあ」と思い込んでしまったのだ。違います。ダメなのはその当人どもだけです。

(続きは11月1日木曜に掲載予定)

※メルマガNEWSポストセブンVol.37

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