――インドの電車内で集団痴漢に遭った体験もあっけらかんと綴っていますが実際は?
歩:乗車率“500%”ぐらいの車内で、とにかく四方八方から手が伸びて100人くらいに痴漢されまくったし、バストをわし掴みにされて体が引きちぎられそうなほど痛いし、“拷問列車”でした。怖かったですし、インドの電車はほんとに地獄でしたね。逃げ場が全くないので。しかも臭くして、暑いし、トイレに行けない。トイレなんて、この世のものとは思えないひどい状況でしたから。体が極限状態だったので、セクハラよりもそっちのほうがつらかったかもしれないです。地獄ってこういうことだなって思ったら、その後に起きるどんな嫌なことも耐えられるっていうぐらい。ある意味、ラッキーな経験をしたなと思います。もうあれ以上の拷問はないので、今となっては貴重な体験でしたね。
――中東ではストーカーされてましたよね?
歩:はい、中東の人たちの性質というのは、それぐらい真っすぐなんです。ただ、ちょっと困っちゃいましたよね。いつまでもやめないっていうのがわかっているので、どうしたらいいのかと。海外の男性はアグレッシブですね。好きになるのもほんとに早いし、男性がガンガン来る。特に中東の男性は、アグレッシブさが半端じゃないです。
――アメリカではハリウッド俳優とオリンピック選手と札束豪遊したそうですが、一体どういう状況だったんですか?
歩:カントリーミュージックで有名なナッシュビルのライブハウスで音楽を聴いていたら、私のところに集まってきて、「なんでひとりでいるの?」って声をかけられて。仲良くなって飲んでたら、周りの人が「あれはピーター・フォンダっていう俳優で、『イージー・ライダー』って映画に出てるんだぜ」「有名なんだよ」って。私はその人のことも全く知らずに遊んでたんですけど。オリンピック選手も50才ぐらいの体操か陸上の金メダリストだったんですよ。その二人や、「億万長者だ」っていわれてた人たちが一緒につるんで遊んでいて。私が「これから深夜バスで次の街に行くんだ」って言ったら、「じゃあ持ってけ」という感じで、確か150ドルくらいの餞別をくれましたね。
【歩りえこ(あゆみ・りえこ)】
1981年9月22日生まれ。東京都出身。清泉女子大学卒業。女優、ラジオパーソナリティー、レポーター、グラビア、写真家、旅作家としてテレビやラジオ、雑誌とボーダレスに活躍する。学生時代に所属していたチアリーディング部で全国優勝し、全米選手権大会に招かれ海外を初体験したのを機に海外旅行に興味を持つ。2005~2007年の2年間で5大陸90か国を訪れ、世界一周を果たす。