男というものは、どうでもいいことで嘘をついては、女にとってはすべてお見通しだったりするわけで。専業主婦のAさん(40才)は夫の嘘だけではなく、お金に対する執着心がすごいとあきれる。
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私の本棚のすみっこの古いビニール製のバッグ。そうと決めたワケでもないけど、なんとなく夫(42才)の“陣地”って感じで私は手をつけなかったの。
いつだったか「何入ってるの?」って聞いたら、ひょいと「なんでもないさ」と言って開いて見せてくれてね。
あのときは使わなくなったケータイとか、名刺とか、手帳とか、本当にどうでもいい、私から見たらガラクタばっかり突っ込んであったのよ。
それがある朝。掃除機をかけてたらバッグの口が数センチ、開いていたんでね。何の気なしに開けてみたら、なになになに。
使わなくなった5個の、二つ折りケータイすべてにピッタリと四つ折りにした一万円札がはさんであるじゃないの。
毎日、昼食代500円ずつ私からもらって仕事に行く夫が、なぜこんな大金を持ってるのっ。
バッグを広げて「どういうことよ」って問い詰めたら「そ、それは、結婚前から持っていたお金だから言わなくてもいいかなと思って」とミエミエのウソ。
しかし夫のお金に対する執念は大したもんだわ。夜中まで尋問してどうやって貯めたか聞いたらさ。「送別会があるからと3000円。忘年会で5000円と、小遣いとは別に持っていったお金のおつりをコツコツ貯めたんだ。何が悪いっ」と半べそかきながら開き直ったのよ。
※女性セブン2012年11月29日・12月6日号