国内

櫻井よしこ氏 中国の覇権阻止のためにもTPP参加は絶対必要

 小泉純一郎内閣が退陣して以降、6人もの総理大臣が約1年で交代を繰り返してきた。その間にこの国は国際的な発言力、影響力を低下させ、隣国は露骨なまでの領土・領海侵犯を繰り返すようになった。日本がまともな国に復活するには、強いリーダーが必要です――このほど『中国に立ち向かう覚悟』(小学館刊)を上梓した櫻井よしこ氏はそう説く。衆議院選挙を前に櫻井氏が、日本がいま取り組むべき課題について解説する。

 * * *
 そもそも国家が主権を保つためには、最低でも「軍事」「経済」という2つの要件を充実させなければなりません。経済においては、日本はつい先頃までの20年間、GDPが500兆円台で横ばいを続けていました。しかもこの数年GDPは縮小し、いまは400兆円台に落ちています。世界の多くの国々が、9.11やリーマン・ショックなどがありながらも経済成長を続けているのとは対照的です。

 日本は輸出額がGDPの14%、輸入額が13%で合わせて27%でしかありません。経済のパイを大きくするには貿易の拡大が必須であり、そのために国を開くことが大切です。

 その意味で、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加は日本にとって絶対に必要です。TPPには経済面で中国の覇権拡大を牽制する意味もあります。TPPの拡大は、世界の知的財産権の侵害を国家ぐるみで行なってきた中国の過剰な影響力を殺いでいく効果をもたらし、民主主義と国際法を遵守する国々が中心となる舞台を作り上げることにつながるでしょう。

 もちろん国益の視点から守るべきものは守らなければなりませんが、「コメを守るためには全部ダメ」という姿勢では日本はいつまでたっても開かれた国にはなれず、経済規模は縮小していくばかりです。ルールづくりの段階から積極的に参加し、TPPを国益につなげていく交渉力こそ発揮すべきだと思います。

※週刊ポスト2012年12月14日号

トピックス

アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
ジャンボな夢を叶えた西郷真央(時事通信フォト)
【米メジャー大会制覇】女子ゴルフ・西郷真央“イップス”に苦しんだ絶不調期を救った「師匠・ジャンボ尾崎の言葉」
週刊ポスト
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
大の里の調子がイマイチ上がってこない(時事通信フォト)
《史上最速綱取りに挑む大関・大の里》序盤の難敵は“同じミレニアム世代”の叩き上げ3世力士・王鵬「大の里へのライバル心は半端ではない」の声
週刊ポスト
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン