冬は乾燥が気になる季節。肌の乾燥対策には余念がない女性でも、皮脂が多いイメージの頭皮には、乾燥ケアの意識が抜けがち――という調査結果が出た。アンケートを実施したのは、これまでも頭皮の「ニオイ」や「ベタつき」の実態をレポートしてきた「スカルプDヘアケア委員会 ~頭皮革命~」プロジェクト。
まず乾燥の原因のひとつとして、同プロジェクトが着目したのがドライヤー。間違った使い方で、高温の熱を長時間あてるなどをすると、頭皮や髪の毛に負担をかけ、ダメージを与える要因となる。洗髪後にタオルドライをきちんとする、ドライヤーを髪から10~15cmほど離して使用するなど、「正しく使うこと」が必要だ。
ドライヤーの使用はスタイリングのためだけでなく、髪や頭皮のケアの面を考えても、頭皮や髪を濡れたままにすることで起こりやすくなる、雑菌の繁殖やキューティクルの剥離を防ぐ。そうした点でも、ドライヤーは女性には欠かせないアイテム。近年は低温タイプやマイナスイオン放出タイプなど、さまざまな髪や頭皮に優しいドライヤーが登場している。
しかし家庭で使われる一般的なドライヤーの熱は非常に高温で、吹き出し口の温度にいたっては100度以上にのぼる。同プロジェクトでは「正しく使わなければ、ダメージを与える」ということを可視化すべく、家庭用のドライヤーの熱だけで、フライパンの上に割り落とした生卵が目玉焼きになるかどうかの実験動画を公開。5分ほど熱をあてた段階では卵に大きな変化は見られなかったが、10分前後から次第に白身が部分的に固まりはじめ、約20分ほどでおいしそうな目玉焼きが完成してしまった。
また20~30代女性150名を対象にした調査では、50.0%と2人に1人が「頭皮の乾燥」を気にしており、そのうち93.3%は「冬」に乾燥を気にしていた。肌タイプでは「頭皮の乾燥」を気にしている女性のうち、84.0%が「乾燥肌」と回答。生活習慣では、頭皮が乾燥している女性のうち、「夏や冬は、エアコンの効いた部屋にいることが多い」人が80.0%、「パーマまたはカラーリングをしている」人が66.7%、「食事の栄養バランスがあまりよくない」人が44.0%となった。
さらに「頭皮の乾燥」を気にする女性に、「頭皮の乾燥を防ぐための特別なケアをしているか?」と聞いたところ、「している」と答えた女性はわずか16.0%。「頭皮の乾燥」を自覚しつつも、対策が出来ていない女性がほとんどだった。
こうした状況に対して、多数の化粧品研究者や医師、女性誌読者に取材した経験を持つ美容ジャーナリスト・木更容子氏はこうアドバイスしている。
「日常生活の中ですぐに見直せることとしては、 “長時間のドライヤー利用を避けること”のほか、“洗いすぎに注意すること”があげられると思います。頭皮の乾燥が気になる方は、1日に何度もシャンプーをしていないか、脱脂力の強いシャンプー・コンディショナーを使っていないかどうかなどを振り返ってみましょう。
さらに、シャンプーやコンディショナー選びも大切です。パッケージを見ただけではなかなか判断しづらいかもしれませんが、“ノンシリコン”“オーガニック”などのキャッチコピーだけにとらわれることなく、また、脱脂力の強すぎるものはなるべく避けて、できるだけ刺激の少ない成分や、頭皮に潤いを与えられるような保湿効果の高い成分を選ぶようにしましょう」