国内

安倍氏患う潰瘍性大腸炎専門医「カツやカレーは論外」と指摘

 総選挙で圧勝し2度目の政権を担うこととなった安倍晋三氏。5年前には潰瘍性大腸炎という難病で総理の職を辞している。

 潰瘍性大腸炎は厚生労働省指定の難病で、国内患者は10万人を超える。症状は個人差があるが、安倍氏は前回の首相退陣後の手記(文藝春秋2008年2月号)で初めて発症したときのことをこう明かしている。

〈激しい腹痛に襲われ、トイレに駆け込んだところ、夥しい量の下血があり、便器が真っ赤に染まったのです。(中略)自己免疫疾患といって自分の免疫が異物と勘違いして自分の腸の壁を攻撃し、その結果、腸壁が剥落し、潰瘍となり、爛れて出血するのです。

 腸壁が刺激されるたび、三十分に一度くらいの頻度で便意をもよおします。夜もベッドとトイレの往復で、到底熟睡などできません。(中略)初めての発症以来、年に一度はこの病気に悩まされてきました。だいたい二週間ほどでおさまるのですが、長いときは一ヶ月以上続くときもあります〉

 そして治療にはステロイドホルモンを使っていると書いている。

〈長く使いすぎると副作用も強い。顔がむくんでムーンフェイスになってしまうこともありますし、さらに骨粗鬆症のように骨ももろくなるといわれています。(中略)私の場合、発症すると腰痛も併発するのですが、入院当初は歩くこともできませんでした〉

 逆ギレしてまで席を譲らなかったのは腰に黄信号が点っていたからではなかったのか。

 安倍氏が現在使っている特効薬は『アサコール』。2009年に発売され、昨年1月から長期処方が可能になったことで、飛躍的に症状の改善が見られる患者が増えているとされる。

 だが、胃腸科の専門医、藤川亨・藤川クリニック院長は過信は禁物と指摘する。

「この病気を薬で完治させることはできません。完治には大腸全摘など大かがりな手術の必要があります。アサコールは必要最低限の薬で、副作用もほとんどありませんが、さらに症状が進むと、加えてステロイドや免疫抑制剤を処方することもある。気をつけなければならないのは、薬を飲んでいても、著しく不規則な生活をすると悪化するので、激務は難しい。急激に悪化すると緊急手術となる場合もある」

“異変”は他にもある。関西での応援の際、安倍氏の乗る街宣車をのぞいた自民党関係者の目撃談だ。

「社内には空のペットボトルがいくつも転がり、チョコやクッキーなどがたくさん置かれていて驚いた」

 確かに安倍氏は早くから声がかすれていた。街頭演説の数をこなせばのどが渇くのは当然で、糖分がほしくなる時もあるだろう。しかし、別の専門医は気になる兆候が読み取れると語る。

「一般的にステロイドを服用していると、のどが渇きやすい。これは薬が効いているということですが、脂質が多いクッキーやチョコは潰瘍性大腸炎には控えた方がよい。カツやカレーも論外です」

 健康アピールのために無理を重ね、逆に再発リスクを高めているのである。

※週刊ポスト2013年1月1・11日号

関連記事

トピックス

優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン