ビジネス

12月は為替が大きく動く月 ドル円の平均変動幅は5.4円にも

 FX(外国為替証拠金取引)投資家にとって知っているとお得なのがアノマリー情報だ。アノマリーとは、論理的に説明できないものの、頻繁に繰り返される相場の法則。傾向、癖のこと。投資資情報会社の社長などを歴任し、現在はFX投資家向けの講演やレポートを執筆するとともに、「為替の学校」M2JFXアカデミア学長でもある吉田恒氏に12月のアノマリーについて解説してもらった。

 * * *
 1年間の最後の月となる12月は、実は為替はよく動く月なのです。ドル円の12月の値幅平均(2000-2011年)は5.4円。これは3月の同6.2円(2000-2012年)に次いで、1年12か月では第2位の大幅な値幅です。

 そしてこれはドル円に限ったことではありません。ユーロドルの12月値幅平均(2000-2011年)は703ポイントで、これは9月の同679ポイント(2000-2012年)を上回って第1位の大幅な値幅でした。ドル円もユーロドルも、1年間で1、2番目に大きく動くのが12月なのです。

 ただそんな12月は、大きく動く時期が限られているというのも、もう一つの特徴でしょう。12月はクリスマスがあります。日本以上に、欧米の投資家はクリスマス休暇をたっぷりとるため、12月中旬から下旬にかけては、為替相場も全く動かなくなってしまうのが普通です。

 その割に1か月の値幅で見ると大きくなっていたのは、クリスマス休暇を除いたところで大きく動くケースが多かったということです。とくに、12月上中旬には、米国の金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)の年内最後の会合が行われますが、これが年内最後の波乱相場になることがこれまでは結構ありました。

 ところで、もう1つ、12月を含む年末の為替で代表的な「アノマリー」として、かつてはユーロ高・ドル安が大幅な動きになりやすいということがありました。これは、欧米企業の決算に関連した需給の影響などがあったと考えられました。ただ、2010年以降、欧州債務危機、ユーロ危機が広がる中で、「年末のユーロ高」というアノマリーで説明できないユーロ安が目立つようになりました。

※マネーポスト2013年新春号

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト