芸能

山口智子 女優になったのは実家の旅館を継ぎたくなかったから

 伝説の小さな生き物“クーナ”を通じて、家族の絆を再構築していく物語を描いたドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(TBS系)。16年ぶりに山口智子(48才)が連ドラに主演するとあって、放送前から大きな話題となっていた。

 最終話では、山口演じる妻が、疎遠だった父親が亡くなって落ちこむ夫を、ことさら励ますわけでもなく、ただ話を聞いて隣に寄り添うというシーンがあった。彼女の自然体でリアルな演技が涙を誘ったが、実は彼女自身の人生がドラマとリンクしていた。

「山口さんにとってこのドラマは、ただの復帰作ではなかったんです。彼女には複雑な関係を続けてきた“母たち” がいるんですが、ちょうどドラマの出演が決まる直前に彼女たちとの絆を再構築していたんです。そういった意味では、思い入れのある作品であり、役柄だったはずです」(芸能関係者)

 山口と“母たち”の物語は栃木県内にある江戸時代初期から続く老舗旅館から始まる。夫と死別し女手ひとつで旅館を切り盛りしてきた祖母(92才)とその息子夫婦のもと、2人姉妹の長女として山口は生まれた。当時、山口の両親は祖母から跡を継ぎ、旅館で毎日忙しく働いていた。そのため、幼い山口の遊び相手はいつも祖母だった。

 そんななか、山口が小学1年生のとき一家に異変が起きる。両親が離婚してしまったのだ。原因は父の女性問題。この時、母は山口と3才年下の妹を連れて、長野の実家へと出戻った。父は何度も母のもとを訪れ、頭を下げたが、彼女が再び旅館に戻ってくることはなかった。

 しかし、幼い山口の「おばあちゃんにまた会いたい」という強い思いが、大きな決断をさせた。母のもとを飛び出して、電車で2時間以上も離れた祖母の家へ駆け込んだのだ。

 まだ幼ない山口にしてみれば、すべてを理解したうえでの行動ではなかっただろう。山口の様子を受け、祖母と母は話し合うことに。最終的に山口は父親側に引き取られることになった。母と妹とは、その日を境に絶縁状態に。それから山口は祖母を実の母のように慕い、実際「お母さん」と呼ぶようになった。

 高校卒業後、山口は東京の短大に進学。20才になったとき、山口のたっての希望で祖母の養子となり、戸籍上も祖母が“母”となった。だが、在学中にモデルのアルバイトを始めたことをきっかけに、女優を志すようになった。そしてとうとう、祖母の反対を押し切って芸能界入りを果たしたのだ。ある雑誌のインタビューで、山口は、当時をこう振り返ったことがあった。

「仕事を始めたのは、家に帰りたくなかったから。(中略)私は旅館を継ぎたくない。性格的に客商売は向いていないし、それに、小さいころに祖母や母のすごい苦労した姿を見て育ったから」

 旅館を継いでほしいと願う祖母だったが、その思いを知りつつも、山口の心の中で、それを否定する思いが、いつの間にか大きくなっていたのだ。結局、祖母は山口にお見合いをすることを約束させ、身上書を書いておくことを条件に、芸能活動を認めたのだった。

※女性セブン2013年1月10・17日号

関連記事

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
《悠仁さまの周辺に緊張感》筑波大学の研究施設で「砲弾らしきもの」を発見 不審物が見つかった場所は所属サークルの活動エリアの目と鼻の先、問われる大学の警備体制 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン