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オフィスで気をつけたい 横文字だらけの“お粗末な言葉”

 お正月気分が抜けない人も多いだろうが、すでに仕事始めを迎えた人も、まだ冬休み中という人も、そろそろ通常営業のタイミング。2013年にオフィスやビジネスシーンで、周りから“痛い人”と思われないためには、どうすればいいのだろうか?

 コピーライターとしてカンヌ国際広告祭PR部門銀賞をはじめ多くの賞を受賞、『その日本語、お粗末ですよ!』(宝島社新書)の著者でもあるタカハシマコトさんに、気をつけるべき言葉遣いや考え方について聞いた。

「無理な英語を使うのは、控えた方がいいですね。『マーケティングチャネル、つまり販路なんだけど…』とか、『コンペティター、競合がさぁ…』など、元々わかりやすい日本語があるのに、あえて言う必要のない英語を使うのは、お粗末な印象を与えますよね。

“流行りのマーケティング本を読んでるぜ”アピールなのかもしれませんが、正しい英語なら、まだ“ちょっとかぶれたウザいヤツ”で済むけれど、間違っているとかなり痛い。例えば『フューチャー(正しくは、フィーチャー)する』は、“注目する”“特徴づける”という意味で使われますが、間違って“未来”が乱発されるような職場には、あまり未来がなさそうですよね(笑い)」(タカハシさん)

 本当に“デキる”人は、無闇に専門用語やわかりにくい言葉は使わず、誰にでもわかりやすい言葉を選んで話す――と感じることは多い。むしろできるだけ、日本語で表現することを意識するくらいで、ちょうどいいのかもしれない。

「間違った『お客様は神様』発想は改めたいですね。故・三波春夫さんの名言として有名な『お客様は神様です』は、“舞台に立ったとき、神様に捧げるよう演じる”という、芸にかける想いを語った言葉であって、“神様=顧客が絶対えらい”というメッセージではありません。三波さんのホームページでも、こうした誤用に苦言を呈しています。

『顧客満足』『CS』といった言葉の延長で、『お客様は神様』が間違って用いられるのは、本来対等であるべき売り手と買い手の関係をおかしくしてしまうはずです。お客様はお客様、神様は神様にしておいた方がいいでしょう」(タカハシさん)

 普段は優しく丁寧な人なのに、飲食店などで店員に横柄な態度をとって、“本当はこういう人なんだ”と一気に好感度を下げる人もいる。ビジネスシーンに限らず、気をつけたい話だ。

「『見える化』や『コンプラ』といった、言葉が持つ本来の意味や込められた志が正しくても、運用でお粗末になってしまう言葉があります。企業で最近流行っている『見える化』や『コンプライアンス』の徹底などがそう。

 例えば『見える化』の場合、煩雑な報告システムを導入するだけでは逆に業務の妨げになりかねず、現場からしてみれば“見せろ化”に感じられたり、メールのCCにとにかく沢山の上司を加える“見たはずですよね化”に陥る可能性も。

『コンプラ的には…』も、企業や上司がとにかくリスクを回避したいときに連発されます。その一方で、著作の中でも触れたのですが、NEWSポストセブンの記事にあったように『コンプラって何? 天ぷらの一種?』という社員だっているわけで、一つ覚えの決まり文句にするだけでは、成果につながりませんよね」(タカハシさん)

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