ビジネス

割高保険に加入しないための秘訣を“お金のお医者さん”解説

“お金のお医者さん”として知られる「家計の見直し相談センター」の藤川太氏がお金に関する固定観念を解きほぐすマネーポスト連載「お金持ちの方程式」。今回は家計の固定費削減にあたって最大限の効果を発揮する「保険の見直し」について解説する。

 * * *
 家計を節約して資金を運用に回すためには、食費や小遣いといった日々のやりくり費よりも、銀行口座から毎月決まって引き落とされる「固定費」を削減する。それがお金持ちへの近道となります。

 固定費のなかで2大出費といわれるのが「住宅ローン」、そして今回紹介する「保険料」です。

 万が一の時に備えて加入している生命保険や損害保険の保険料を生涯の総支払額でみると、1000万円は下らないといわれます。賃貸暮らしで住宅ローンがないという方でも、多かれ少なかれ何らかの保険には加入しているはずです。つまり、ほとんどの家計にとって保険の見直しは絶大な効果を発揮することが期待できるものなのです。

 やや大げさにいえば、保険を見直さない限り、固定費の大幅な削減にはつながらず、お金持ちへの道は遠のく。まずはそのことを肝に銘じてほしいと思います。

 保険の見直しと一口にいっても、実はそのやり方は時代とともに変わってきています。かつては大手生保から保険料の安い保険会社に乗り換えるという手法で大幅な保険料の削減が見込めましたが、今やそれだけでは通用しなくなっているからです。

 それには2つの理由があって、まず外資系を中心としたカタカナ生保や通販型のネット生保が台頭してきたことで契約者の間で保険の見直しが進み、既存の大手生保がシェアを落としたことが挙げられます。

 それから特に若い世代を中心にそもそも保険に加入していない人たちが増えてきていることがあります。いうまでもなく、保険に入っていなければ見直しのしようもありません。

 そこで、まず、そもそも保険には入った方がいいのかどうか。そこから考えてみましょう。

 人間は生きている限り、さまざまなリスクに見舞われます。たとえば病気で家計の大黒柱が倒れ、亡くなってしまう。あるいは車を運転していて事故を起こしてしまった。さらには地震で家屋や命を失うという悲劇も私たちは目の当たりにしました。そのような人生を大きく狂わせるような事態に見舞われれば、経済的なリスクが生じます。

 万が一そうなった時に困らないように備えておくものが保険です。自分の人生で考え得るリスクがある限り、お金を払ってでも保険に入っておくことが賢明といえるのではないでしょうか。

 ただし、ここで気をつけたいのが、必要以上にリスクを警戒してしまうことです。保険会社のセールスなどは、心配事を強調して、なるべく多額の保険に入れようとします。

 たとえば、こんなやり方です。まず思いつく限りのリスクを並べ、それらに万全を期すため、さまざまな特約を盛り込んだセット商品を提示してきます。だからどうしても保険料が高くなる。そして、そこから少しでも保険料を安くしようとすれば、「この特約を外せば保険料はこれだけお安くなります」と教えてくれるが、少ししか安くならないので、結局は特約をつけておくか、と諦める。

 残念ながら、そのような“セールストークの罠”にはまるとなかなか抜け出せなくなる。しかし、その結果、後でよくよく考えてみると、実は本当に必要な保障というわけではなく、その分保険料も割高だったということが往々にしてあります。

 割高な保険に入らないためには、まず自分にとって本当に必要な保障は何かというところから考える。そのうえで最低限必要な保険を備えてはじめて賢い選択といえますし、それができればより効率的な保険の見直しが可能となるのです。

※マネーポスト2013年新春号

関連キーワード

関連記事

トピックス

試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン
ヒロイン・のぶ(今田美桜)の妹・蘭子を演じる河合優実(時事通信フォト)
『あんぱん』蘭子を演じる河合優実が放つ“凄まじい色気” 「生々しく、圧倒された」と共演者も惹き込まれる〈いよいよクライマックス〉
週刊ポスト
石橋貴明の現在(2025年8月)
《ホッソリ姿の現在》石橋貴明(63)が前向きにがん闘病…『細かすぎて』放送見送りのウラで周囲が感じた“復帰意欲”
NEWSポストセブン
決死の議会解散となった田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
「市長派が7人受からないとチェックメイト」決死の議会解散で伊東市長・田久保氏が狙う“生き残りルート” 一部の支援者は”田久保離れ”「『参政党に相談しよう』と言い出す人も」
NEWSポストセブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
「ずっと覚えているんだろうなって…」坂口健太郎と熱愛発覚の永野芽郁、かつて匂わせていた“ゼロ距離”ムーブ
NEWSポストセブン
新潟県小千谷市を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA) 
《初めての新潟でスマイル》愛子さま、新潟県中越地震の被災地を訪問 癒やしの笑顔で住民と交流、熱心に防災を学ぶお姿も 
女性セブン
羽生結弦の被災地アイスショーでパワハラ騒動が起きていた(写真/アフロ)
【スクープ】羽生結弦の被災地アイスショーでパワハラ告発騒動 “恩人”による公演スタッフへの“強い当たり”が問題に 主催する日テレが調査を実施 
女性セブン
自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏(時事通信フォト)
《自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏》政治と距離を置いてきた妻・滝川クリステルの変化、服装に込められた“首相夫人”への思い 
女性セブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
《初共演で懐いて》坂口健太郎と永野芽郁、ふたりで“グラスを重ねた夜”に…「めい」「けん兄」と呼び合う関係に見られた変化
NEWSポストセブン
千葉県警察本部庁舎(時事通信フォト)
刑務所内で同部屋の受刑者を殺害した無期懲役囚 有罪判決受けた性的暴行事件で練っていた“おぞましい計画”
NEWSポストセブン
2泊3日の日程で新潟県を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA)
《雅子さまが23年前に使用されたバッグも》愛子さま、新潟県のご公務で披露した“母親譲り”コーデ 小物使い、オールホワイトコーデなども
NEWSポストセブン