国内

甲子園出場常連校で窓のない“しごき部屋”でケツバット体罰

 自殺者が出た大阪市立桜宮高校バスケ部はインターハイ出場の常連校だった。スポーツ強豪校では特に「体罰は当たり前」という考え方は根強く、日常的に“厳しい指導”が行なわれている。フリーライターの清水典之氏が報告する。

 * * *
「甲子園出場の可能性がある野球部ともなると、監督に逆らうなんてあり得ない。部員は絶対服従です。特に特待生は監督に目をつけられて野球部を辞めさせられたら学校に通い続けることさえ難しくなる。だから何をされても文句は言えない。

 試合中に制球を乱して四球を連発したピッチャーがベンチに帰ってくると、ベンチ裏で気合のビンタが入るのは常識です。複数の有名プロ野球選手を輩出した大阪のある強豪校では、真夏のアスファルトの上で何時間も正座させる体罰が“名物”だと言われてきた」

 大阪府にある高校の野球部監督経験者の話だ。

 朝日・毎日という大新聞が主催する春夏の甲子園を目指す高校野球の体罰は、なぜか大マスコミの体罰追及報道でも全く実態が報じられてこなかったが、実際は強豪校ほど今も「体罰は常識」だとされる。もちろん、高野連(日本高等学校野球連盟)は体罰が発覚すれば厳しい処分を下す建前になっているが、そもそも関係者からの内部告発は期待しにくい閉鎖社会だし、発覚を免れるため体罰のやり方も巧妙化している。

「兵庫県のある甲子園出場常連校では周囲の目に留まらないように、窓のない部室の一つを “しごき部屋”にしている。正座させてビンタしたり、尻をバットで叩くケツバットなどはその部屋でしかしないと聞きます。

 また大学の附属系列高は特に体罰の発覚にナーバスなので、途中交代させて試合終了まで腕立て伏せをやらせるとか、練習の一環と見えるやり方も増えています。あとは監督の代わりにキャプテンに殴らせることもあるし、“自分で自分を殴らせる”という罰まである」(同前)

 部員間でやらせても、自分で自分を殴らせても、監督をはじめ指導者との権力関係が根底にある以上、体罰であることに変わりはない。

※SAPIO2013年4月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン