ビジネス

【日本株週間見通し】日経平均3月末に1万3000円も現実味

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の3月11日~3月15日の動きを振り返りつつ、3月18日~3月22日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。週末には2008年9月9日以来の12500円を回復している。米国では8日に発表した雇用統計のほか、今週は小売売上高や失業保険申請件数なども予想外の好結果となり、米景気回復や雇用改善期待が高まるなか、NYダウは10営業日続伸、8日連続で史上最高値を更新するなど記録的な上昇が続いた。

 また、日銀次期総裁候補の黒田東彦氏の「さらに金融緩和必要」との参院での所信が伝えられるなか、含み資産関連への物色が活発化。その後も黒田氏を次期日銀総裁に起用する政府の人事案に対して、衆院に続き、参院も15日同意。20日に日銀新体制が発足した後、3月末に臨時日銀金融政策決定会合が開催される可能性が高まるなか、一段の金融緩和政策への期待が不動産など資産株への物色に。

 為替市場ではドル・円が1ドル96円台に突入するなか、95~100円のレンジへの意識も。そのほか、安倍首相は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する考えを15日に表明したことで、TPP関連への物色が強まった他、海底資源メタンハイドレートの採取に世界で初めて成功すると関連銘柄が急動意、IPO銘柄の出足好調なども投資家のセンチメントを上向かせた。

 アベノミクスへの期待から、海外投資家の日本株投資が加速している。東証がまとめた3月第1週(3月4日~3月8日)の3市場投資主体別売買内容調査によると、海外投資家が1兆0172億円の買い越しだった。2004年3月第1週(9678億円)以来の買越額である。

 先物・オプションSQ要因もあるだろうが、週明け11日の外資系注文動向では、観測ベースながら今年最大の買い越し規模となっていた。また、今週には国内機関投資家による決算対策による売りについてはピークを通過してくると考えられる。決算対策に伴う売り圧力が低下するなか、海外投資家による資金流入が相場を押し上げる要因になろう。

 今週は、黒田新体制が内閣の任命を経て20日に発足する。新体制が最初に開く金融政策決定会合は4月3~4日に予定されている。黒田氏は11日の参議院での所信聴取で「早急に具体的な金融緩和措置を政策委員会で審議して決定したい」と発言。黒田日銀が発足後、22、25日辺りにも臨時の金融政策決定会合を開催する可能性があるとみられている。臨時国会の開催が発表されるようだと、円相場は95-100円のレンジ上限を意識し、日経平均は13000円をターゲットとしたトレンドが強まる可能性がある。

 また、配当志向の商いも注目されるが、商社や薬品、情報通信など依然として3%超の利回りである。4月3~4日での金融政策決定会合への期待が高まるなか、配当権利落ち分は早期に埋めてくる可能性が高く、より配当狙いの物色が強まることも考えられる。

 なお、甘利経済再生担当相は2月9日の講演で、日経平均に関し「3期末までには13000円を目指して頑張るぞという気概を示すことは大事だ」と発言。「株価が上がっていくように次々と手を打っていきたい」と強調していた。

 発言後2月12日の日経平均は11400円前後であったが、それから1ヶ月で1000円超の上昇をみせている。テクニカル面では月足の一目均衡表の雲上限が12660円辺りに位置しており、雲突破による長期シグナルの好転が近づいている。3月末の13000円、1ドル100円が現実として意識されてくる。

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン