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方言学の教授 方言の多くは京都が発祥と考えられると説明

 方言は、地元にとってはなじみ深く、別の地域の人からするとときにあたたかい印象も受ける。しかし、地域特有の言葉であるがため難解なものも。会津弁が使われているNHK大河ドラマ『八重の桜』にも「わかりにくい」という声があり、「字幕をつけてくれ!」との要望も視聴者からは出ているという。

 方言は飲食店等の店員も時に戸惑わせることもある。全国の高校の寄せ書きノートを設置する居酒屋『新橋 有薫酒蔵』(東京・新橋)では、おつりを細かくしてくださいと客から言われるたびに驚くことが多いという。

「福岡のお客さんは“おつりの5000円札を1000円に切ってください”っていうんですが、びっくりしますよね。紙幣を切るのかって思ってしまいますから。

 あとは関東地方の人は“くだいてください”、愛知の人は“こわしてください”とさまざまです」(女将・松永洋子さん)。このようになじみのある言葉でも地方によって用途が違うのはなぜだろうか?

『出身地がわかる!気づかない方言』(毎日新聞社)の著書がある東京女子大学教授(方言学・社会言語学)の篠崎晃一さんによれば、今もある方言の多くはかつて都である京都で使われていた言葉が他の地域に何らかのかたちで伝わり残ったものと考えられるという。

「例えば、東北や九州の一部では“疲れた”を“こわい”と言います。これも京都を中心とした関西地方でかつて使われていた言葉だと思われます。時代とともに都では使われなくなったんですが、それが京都から遠く離れた地域に広まり、今でも使われています。

 また、方言は、その土地の気候や風土、生活などの影響を受けながら今のかたちになったと考えられます」

※女性セブン2013年3月28日号

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