ビジネス

マーケットアナリスト 米国で日本株への関心の高さに驚いた

 東京証券取引所がまとめた投資部門別売買状況によれば、日本株の売買代金の約6割は外国人投資家が占め、依然として相場の主役であることに変わりはない。4月には過去最高となる2兆6826億円の買い越しを記録したばかりか、5月第2週(7~10日)には7271億円を買い越し、日本株の一段高の原動力となっている。

 日米欧の中央銀行がこぞって進める世界的な金融緩和で溢れたマネーが、安全資産とされてきた債券から株式へのシフトを強め、大挙して日本市場に押し寄せている格好だ。

 すでに日経平均株価は半年で7割も急騰した。なぜ、日本株はこんなにも買われているのか。外国人投資家に豊富な人脈を持つ信州大学経済学部の真壁昭夫教授が解説する。

「日本株全体の予想PER(株価収益率=時価総額÷純利益)は17倍程度と、世界的に見て決して割高ではない。たとえば日本を代表するトヨタ自動車は今期1兆8000億円の営業利益予想だが、想定為替レートが1ドル=90円ということもあり、円安効果で業績の上方修正が確実視されている。そうなるとPERはさらに下がることが見込めるため、まだまだ日本株は割安と見る外国人投資家は少なくありません。彼らの多くは、現在の日本市場をバブルとは見ていないのです」

 今年に入ってからの上昇率を比較しても、日経平均は45.2%増と世界でも群を抜く。史上最高値更新で沸く米ニューヨークダウの16.6%増に大きく水を開けている格好なのだ。

 5月20日までウォール街をはじめ米国を訪れていたマーケットアナリストの豊島逸夫氏は「日本株への関心の高さに驚いた」という。

「リーマン・ショックを機に外資系金融機関が日本法人を縮小したこともあって、現地ではとにかく日本の情報を欲していました。私自身、35年ほど世界のマーケットに身を置いてきましたが、これだけ日本市場が注目された経験はない」

※週刊ポスト2013年6月7日号

関連キーワード

トピックス

9月6日から8日の3日間、新潟県に滞在された愛子さま(写真は9月11日、秋篠宮妃紀子さまにお祝いのあいさつをするため、秋篠宮邸のある赤坂御用地に入られる様子・時事通信フォト)
《ますます雅子さまに似て…》愛子さま「あえて眉山を作らずハの字に落ちる眉」「頬の高い位置にピンクのチーク」専門家が単独公務でのメイクを絶賛 気品漂う“大人の横顔”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
最新機種に惑わされない方法とは(写真/イメージマート) 
《新型iPhoneが発表》新機能へワクワク感高まるも「型落ち」でも充分?石原壮一郎氏が解説する“最新機種”に惑わされない方法
NEWSポストセブン
シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
選手会長としてリーグ優勝に導いた中野拓夢(時事通信フォト)
《3歳年上のインスタグラマー妻》阪神・中野拓夢の活躍支えた“姑直伝の芋煮”…日本シリーズに向けて深まる夫婦の絆
NEWSポストセブン
学校側は寮内で何が起こったか説明する様子は無かったという
《前寮長が生徒3人への傷害容疑で書類送検》「今日中に殺すからな」ゴルフの名門・沖学園に激震、被害生徒らがコメント「厳罰を受けてほしい」
パリで行われた記者会見(1996年、時事通信フォト)
《マイケル没後16年》「僕だけしか知らないマイケル・ジャクソン」あのキング・オブ・ポップと過ごした60分間を初告白!
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
『東京2025世界陸上』でスペシャルアンバサダーを務める織田裕二
《テレビ関係者が熱視線》『世界陸上』再登板で変わる織田裕二、バラエティで見せる“嘘がないリアクション” 『踊る』続編も控え、再注目の存在に 
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビーカーショットの初孫に初コメント》小室圭さんは「あなたにふさわしい人」…秋篠宮妃紀子さまが”木香薔薇”に隠した眞子さんへのメッセージ 圭さんは「あなたにふさわしい人」
NEWSポストセブン
試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン