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松木安太郎氏が「ループシュート」を擬音で表現した深い理由

2013.06.11 07:00

 サッカー日本代表は、4日のオーストラリア戦に1対1で引き分け、5大会連続5回目のW杯出場を決めた。この試合でテレビ視聴者盛り上げたのは、テレビ朝日で解説を担当した松木安太郎氏だ。この日も、松木氏は視聴者の気持ちを代弁するかのごとく、チャン

 サッカー日本代表は、4日のオーストラリア戦に1対1で引き分け、5大会連続5回目のW杯出場を決めた。この試合でテレビ視聴者盛り上げたのは、テレビ朝日で解説を担当した松木安太郎氏だ。この日も、松木氏は視聴者の気持ちを代弁するかのごとく、チャンスやピンチの場面になると、「おおー!」「あー!」などとテンション高く放送し、視聴者の盛り上がりを後押しした。

 一見すると、ただ叫んでいるだけと勘違いされがちな松木氏の解説だが、実は視聴者に対しての細かな気配りがあるという。象徴的だったのは後半13分。香川真司がループ気味にシュートを放つと、松木氏はこう解説した。

「ふわっと、いったね。ゴールキーパー1番・シュウォーツァー、大きいからね。ふわっと越すような」

 普通の解説者であれば、「ループシュート」と専門用語を使いたくなるが、「普段サッカーを観ない人にもわかりやすく」をモットーとしている松木氏は『ふわっと』という擬音で表現。『ふわっと越すようなシュート』であれば、老若男女誰が聞いてもわかるだろう。

 その他、視聴者と選手の共通項を発見させるために、時折サッカーと関係のない情報を盛り込むのも、松木氏の解説の特徴だ。この日も、DF今野泰幸のプレーを見て、「今野は宮城の星っていわれてます」と宮城出身であることをさりげなく伝え、同郷の視聴者に感情移入させやすくするなどのテクニックを駆使している。

 こうした松木氏の解説は、「視聴率低迷が続くプロ野球中継の解説とは好対照」とテレビ局関係者は語る。

「最近の野球中継は、野球好きのための情報しか流さなくなっている。たとえば、『得点圏打率3割5分』といわれても、野球に詳しくない人は何をもって得点圏とするのかわからない。最近の中継では『このコースの打率は4割』などとあまりにもデータが細か過ぎて、マニア向けの傾向が強い。『興味のない人は見なくていい』という意見もあるかもしれませんが、それは人気低下に拍車をかけるだけ。

 一方、少しでもサッカーに興味のある人ならわかるような『ループシュート』という用語でさえ使わない松木さんの解説は、普段サッカーを観ない視聴者にとって、とてもやさしい。日本人なら誰でも知っている『ふわっと』という擬音を使うあたり、解説者としての力量とセンスを感じますね」

 また、後半4分、サイドでの1対1を止めたDF内田篤人に対し、「いいね! 内田! 日本の6番内田!」とサッカーに詳しくない人にもわかるように、『背番号6=内田』と画面を通じて、顔と名前を一致させる解説をしているのも、松木氏の解説の特徴。選手の名前を呼ぶときに、背番号も一緒に紹介することで、やはり、視聴者にとってやさしい解説を心がけているのだ。

 この試合は、今年1位となる視聴率38.6%を記録した。こうした松木氏の「一見さんを掴む解説」が、サッカー日本代表のテレビ中継の高視聴率につながっているのかもしれない。

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