ビジネス

総事業費980億の赤プリ再開発 旧李王家東京邸は移動し保存

 都心の一等地にあり、バブル期には利用することそのものがステータスだった赤坂プリンスホテル。いまは営業が終了し、徐々に縮んでゆく解体作業の様子がさまざまに報じられるのを目にした人も多いだろう。その赤プリ再開発について、ジャーナリストの永井隆氏がリポートする。

 * * *
 西武グループの強味のひとつは莫大な不動産だ。これまで「峻別と集中」をキーワードに六本木プリンスホテルやニセコ東山プリンスホテル、複数のスキー場などを売却して有利子負債の圧縮を進めてきたが、それでも同グループは都心や郊外に1兆円以上の土地・建物などを有する。これらを高収益物件にしていくことがポイントだ。

 目下、注目されているのがグランドプリンスホテル赤坂(旧名・赤坂プリンスホテル)跡地を再開発する「紀尾井町計画」である。HD傘下の不動産事業会社・西武プロパティーズの妹尾寛仁・都市開発部ジェネラルマネジャー(48)が語る。

「東京のランドマークでもあった『赤プリ』を壊していいのか、という声は社内にもあった。しかし、外資系の一流ホテルが相次いで都内に開業するなか、赤プリは天井が低いなど競争力を喪失し始めていたのです」

 総事業費は約980億円。3万400平方メートルの広大な敷地に「オフィス・ホテル棟」(地上36階、地下2階)と、「住宅棟」(地上24階)を建設する。また、東京都指定有形文化財である旧李王家東京邸(旧同ホテル旧館)は、建設工事に伴い移動させて保存する。高さ140m近くあった旧新館の解体工事はほぼ終了。2016年夏頃に開業予定だ。

 再開発プロジェクトは「調整」の連続だという。

「例えば、デザイナーは当然ながら見た目を重視します。しかし、その図面の通りに作ったら裏方のメンテナンス要員の動線が確保されないなどの問題が起きることがある。デザイン性を保ちつつ、それとぶつかりあう実用性も両立させる。

 プロジェクトには“思い”が必要です。関係する個々人が新しいランドマークをどんな形にしていきたいか、思いを持たなければならない。それがないとぶつかりあうこともなければ、新しいものが生まれることもありません」

※SAPIO2013年7月号

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
小室眞子さん第一子出産で浮上する、9月の悠仁さま「成年式」での里帰り 注目されるのは「高円宮家の三女・守谷絢子さんとの違い」
週刊ポスト
TUBEのボーカル・前田亘輝(時事通信フォト)
TUBE、6月1日ハワイでの40周年ライブがビザおりず開催危機…全額返金となると「信じられないほどの大損害」と関係者
NEWSポストセブン
ラウンドワンスタジアム千日前店で迷惑行為が発覚した(公式SNS、グラスの写真はイメージです/Xより)
「オェーッ!ペッペ!」30歳女性ライバーがグラスに放尿、嘔吐…ラウンドワンが「極めて悪質な迷惑行為」を報告も 女性ライバーは「汚いけど洗うからさ」逆ギレ狼藉
NEWSポストセブン
夏の甲子園出場に向けて危機感を表明した大阪桐蔭・西谷浩一監督(産経ビジュアル)
大阪桐蔭「12年ぶりコールド負け」は“一強時代の終焉”か 西谷浩一監督が明かした「まだまだ力が足りない」という危機感 飛ばないバットへの対応の遅れ、スカウティングの不調も
NEWSポストセブン
田中圭の“悪癖”に6年前から警告を発していた北川景子(時事通信フォト)
《永野芽郁との不倫報道で大打撃》北川景子が発していた田中圭への“警告メッセージ”、田中は「ガチのダメ出しじゃん」
週刊ポスト
TBS系連続ドラマ『キャスター』で共演していた2人(右・番組HPより)
《永野芽郁の二股疑惑報道》“嘘つかないで…”キム・ムジュンの意味深投稿に添付されていた一枚のワケあり写真「彼女の大好きなアニメキャラ」とファン指摘
NEWSポストセブン
逮捕された不動産投資会社「レーサム」創業者で元会長の田中剛容疑者
《無理やり口に…》レーサム元会長が開いた“薬物性接待パーティー”の中身、参加した国立女子大生への報酬は破格の「1日300万円」【違法薬物事件で逮捕】
週刊ポスト
2日間連続で同じブランドのイヤリングをお召しに(2025年5月20日・21日、撮影/JMPA)
《“完売”の人気ぶり》佳子さまが2日連続で着用された「5000円以下」美濃焼イヤリング  “眞子さんのセットアップ”と色を合わせる絶妙コーデも
NEWSポストセブン
話題のAIビデオチャットアプリ「Castalk(キャストーク)」
「リアルだ…!」グラビアアイドル・森咲智美と2人きりで「ふれあいタッチ」も AIアバターアプリ「Castalk」を男性記者が体験してみた
NEWSポストセブン
石川県を訪問された愛子さま(2025年5月18日、時事通信フォト)
「バッグのファスナーをすべて開けて検査」愛子さま“つきまとい騒動”で能登訪問に漂っていた“緊張感”
NEWSポストセブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さんが第1子出産》小室圭さんが母・佳代さんから受け継ぐ“おふくろの味”は「マッシュポテト」 関係者が明かす“佳代さんの意外な料理歴”とは
NEWSポストセブン
群馬県草津町の黒岩信忠町長、町長からわいせつ被害を受けたという嘘の告訴をした元町議の新井祥子被告
「ずるずるずるずる、嘘を重ねてしまいました」…草津町長への“性被害でっち上げ” 元女性町議が裁判で語った“発言がどんどん変わった理由
NEWSポストセブン