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芸能人なりすまし出会い系詐欺 請求額は相手によって変える

 1人当たり3万1000円あまり。芸能人の「なりすまし詐欺」に遭って、被害者が出会い系に費やした金額だ。被害総額は、全国37万人から116億円。サイト運営会社「ウイングネット」は、いかにもな文面をつくり、メールを送るだけで、これだけの額を巻き上げていた。

 メールの閲覧は1回200円、送信には300円もかかり、決して安くはない。とはいえ、被害総額116億円には驚くばかり。出会い系サイトの運営会社に勤めるA氏が次のように語る。

「一行メールを一晩で100通とか、多い人だと300通送るなんてこともザラ。1週間やれば、数十万円になる」

 ちりも積もれば、ということだ。支払いはそのサイト独自のポイントで行うことが多く、最初は与えられた無料ポイントが使えるが、あっという間に底をつき、ポイントは膨れあがる一方。ポイントなので、お金を使っているという感覚も薄い。

 それがある程度たまると、次に請求が始まる。指定された口座に現金を振り込むか、クレジットカードでの支払いになるが、詐欺業者側がどのタイミングでいくら請求するかは、相手によって変えているのだという。

「相手の年齢や勤務先なんかで、5万円程度で早めに請求に動くこともあれば、100万円以上の金額になるまでメール交換することもある。その請求額に、遅延損害金や手数料など、どんどん上乗せしていく。

 支払いが滞った場合は、弁護士の名前をつけて、このままでは訴訟になるとメールを送ったり、フェイスブックで個人情報がわかっているので、会社に乗り込む等と脅す。ここまでやれば、9割9分の人間はお金を払う」(A氏)

 ちなみに、騙された側がハラハラしながら真剣にメッセージを送っている先にいるのは、名もなきアルバイトだ。

「時給は1100円程度。昼夜交代で働いています。途中で人が入れ替わっても、前任者がどういうやり取りをしてきたかは履歴を見ればわかるし、何に注意すればいいかは申し送りをしているから、全く困らないよ」(A氏)

 敵はシステマチックに波状攻撃を仕掛けながら、こちらの財布を狙っているのだ。

※女性セブン2013年7月11日号

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