ビジネス

男性会社員が缶コーヒー離れ メーカーは働く女性の需要開拓

 スターバックスやタリーズといったシアトル系カフェの好調ぶりや、コンビニのいれたてカウンターコーヒーの登場、自宅で本格的な味が楽しめるコーヒーマシンの進化など、日本のコーヒー文化はさまざまな広がりを見せている。

 そんな中、苦戦を強いられているのが缶コーヒーをはじめとするパッケージ製品の売り上げである。飲料総研の調べによれば、今年上半期(1~6月)の飲料カテゴリー別市場は、日本茶や炭酸飲料が前期比7%増を記録する中、コーヒーだけマイナス3%の1億8750万ケースと落ち込んだ。

 その理由はなぜか。飲料総研取締役の宮下和浩氏が分析する。

「かつて缶コーヒーのメインユーザーだった30代以上の男性会社員がみな年を取り、仕事中に缶コーヒーが欠かせないシチュエーションが減ってきたことが考えられます。中高年の飲用率が徐々に下がった分、若い人たちが缶コーヒーを飲んでいるかといえば、シアトル系やコンビニコーヒー、チルドカップとカフェスタイルの新商品に流れているのが現状です」

 コーヒーといえば男性の購入比率が高いイメージがあるが、例えばコンビニコーヒーの購入者の半分は20~30代の働く女性たち。いまや女性がコーヒーブームを牽引しているといっても過言ではないのだ。

 そこで、各飲料メーカーが女性の新たなコーヒー需要を開拓しようと注力しているのが、ペットボトル入りのコーヒー飲料である。いまさらペットボトル入りは珍しくないが、より女性が好む容器デザインやシアトル系カフェをイメージさせる味わいを追求している。

 5月に日本コカ・コーラが発売した『LUANA(ルアーナ)』は、「南国リゾートにあるカフェでのくつろぎ」がコンセプト。砂糖などの甘味料を使わず、コーヒーとミルクだけのシンプルな風味をペットボトルに詰め込んでいる。同社は、缶コーヒーのトップブランド『ジョージア』に次ぐ主力商品に育てたいと意気込んでいる。

 また、8月下旬に『FIRE(ファイア)』の新シリーズ『Cafe Deli(カフェデリ』として、ペットボトル入りラテ2種類(ビターキャラメル、サニーオレンジ)を発売するキリンビバレッジも、ターゲットはズバリ若年層、とりわけオシャレなカフェに通う女性だ。

「カフェで飲むコーヒーの飲用率は、20代女性を中心に缶コーヒーの飲用率を大きく上回り、自宅でも職場でもない“サードプレイス”としてのカフェ利用が増えている。カフェの象徴ともいえるエスプレッソ入りの『フレーバーラテ』を飲料化することで、ゆっくりチビチビ飲むコーヒー文化をパッケージ商品でも創造していきたい」(キリンビバレッジ・マーケティング部長の山田精二氏)

 では、このまま短時間・飲み切りタイプの缶コーヒーは陳腐化してしまうのか。

「いくら市場が落ち込んでいるとはいえ、缶コーヒーは自動販売機での販売量が多く高収益に支えられているカテゴリーです。『ジョージア』のように圧倒的な売り上げを誇るコーヒーがあるメーカーでなければ自販機のシェアも高まらない。最終的には缶でもペットでも総合的なブランド力をいかに高めるかの勝負になるでしょう」(前出の飲料総研・宮下氏)

 お茶と違い、年齢・男女の別によって風味の嗜好がまちまちなコーヒーだけに、ペットボトル化の定着も一筋縄ではいきそうにない。

トピックス

大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、不動産業者のSNSに短パン&サンダル姿で登場、ハワイの高級リゾードをめぐる訴訟は泥沼化でも余裕の笑み「それでもハワイがいい」 
女性セブン
今の巨人に必要なのは?(阿部慎之助・監督)
巨人・阿部慎之助監督「契約最終年」の険しい道 坂本や丸の復活よりも「脅かす若手の覚醒がないとAクラスの上位争いは厳しい」とOBが指摘
週刊ポスト
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《ベリーショートのフェミニスト役で復活》永野芽郁が演じる「性に開放的な女性ヒロイン役」で清純派脱却か…本人がこだわった“女優としての復帰”と“ケジメ”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の一足早い「お正月」》司組長が盃を飲み干した「組長8人との盃儀式」の全貌 50名以上の警察が日の出前から熱視線
NEWSポストセブン
垂秀夫・前駐中国大使へ「中国の盗聴工作」が発覚(時事通信フォト)
《スクープ》前駐中国大使に仕掛けた中国の盗聴工作 舞台となった北京の日本料理店経営者が証言 機密指定の情報のはずが当の大使が暴露、大騒動の一部始終
週刊ポスト
タレントとして、さまざまなジャンルで活躍をするギャル曽根
芸人もアイドルも“食う”ギャル曽根の凄み なぜ大食い女王から「最強の女性タレント」に進化できたのか
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
安達祐実、NHK敏腕プロデューサーと「ファミリー向けマンション」半同棲で描く“将来設計” 局内で広がりつつある新恋人の「呼び名」
NEWSポストセブン
還暦を迎えられた秋篠宮さま(時事通信フォト)
《車の中でモクモクと…》秋篠宮さまの“ルール違反”疑う声に宮内庁が回答 紀子さまが心配した「夫のタバコ事情」
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さまの墓を参拝された天皇皇后両陛下(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《すっごいステキの声も》皇后雅子さま、哀悼のお気持ちがうかがえるお墓参りコーデ 漆黒の宝石「ジェット」でシックに
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
NEWSポストセブン