ビジネス

ゲームのネット販売 在庫や万引きリスクがないメリットあり

「ファミリーコンピュータ」発売から30年、ゲーム業界を牽引してきた任天堂の業績が、2期連続営業赤字を記録した。スマホの登場でゲーム機離れが進んでいるのではと言われているなか、任天堂が試みる新しい「ネットビジネス」について、ジャーナリストの永井隆氏がリポートする。

 * * *
 スマホのゲームが普及した理由の一つはソーシャル・ネットワークである。友人・知人、さらには知らない人ともネットを通じて会話や情報交換などができ、ゲームを盛り上げられる。

 その機能を取り込んだのが、WiiUで利用できる「Miiverse(ミーバース)」というネットワークサービスである。

 WiiUの電源を入れると、「わらわら広場」という画面が表示される。広場には、ユーザーそれぞれが作った「Mii」と呼ぶキャラクターがたくさん出てきて、ソフトのアイコンの周りに集まっている。時々、ゲームで遊んでいる人の発言が表示される。ここから、同じゲームで遊んでいる人とメッセージをやりとりしたり、フェイスブックの「いいね!」のように「そうだね!」ボタンで共感できたりする仕掛けだ。

 ミーバースを含め、任天堂は「デジタルビジネス」を大幅に拡大することを打ち出している。岩田聡社長は「収益機会を拡大するために重要」と位置づけ、特にダウンロード版ソフトの販売に力を入れていくとしている。

「単にパッケージのソフトをダウンロードするだけ」と言えばそれまでだが、ビジネスとしては大きなチャンスがありそうだ。 WiiUの画面から「ニンテンドーeショップ」に行く以外のチャネルも検討されている。

「年末年始には、アカウント管理を徹底してスマホやパソコンからでも購入できるシステムを立ち上げる予定」(任天堂関係者)

 WiiUのネット接続率は80%と高い。3DSになると、日本で87%、アメリカでも83%に達する。しかも、一度ダウンロードを経験すると、次もダウンロードを利用する人が多いというデータがある。人気ゲーム「とびだせ どうぶつの森」では、前期出荷数のおおむね4分の1はダウンロード版で占められる。ネットワークにより、確実にゲームの買い方が変わっている。それは新しい顧客層の獲得にもつながる。

 ライターでありゲーム関連のウェブサイトやイベントの企画制作に携わるプランナーの田下(たおり)広夢氏が語る。

「面白い取り組みが、セブン-イレブンを中心に取り扱っているPOSAカードによるダウンロード販売です。これにより、能動的にオンラインでゲームを探してダウンロードする層だけでなく、ふとコンビニで買いたくなった人や、オンラインでの課金に抵抗がある人も取り込むことができます。

 店にとっても、在庫リスクや万引きリスクがなく、陳列スペースが小さくて済むというメリットがある。コンビニでゲームが置かれるのは、ユーザーとの接触機会を高める上で非常に有効です」

※SAPIO2013年8月号

トピックス

石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
川崎春花
【トリプルボギー不倫の余波】日本女子プロ2022年覇者の川崎春花が予選落ち 不倫騒動後は調子が上向かず、今季はトップ10入り1試合のみ「マイナスばかりの関係だった」の評価も
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
「中野駅前大盆踊り大会」前夜祭でのイベント「ピンク盆踊り」がSNSを通じて拡散され問題に
《中野区長が「ピンク盆踊り」に抗議》「マジックミラー号」の前で記念撮影する…“過激”イベントの一部始終
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
『東宝シンデレラ』オーディション出身者の魅力を山田美保子さんが語ります
《第1回グランプリは沢口靖子》浜辺美波、上白石姉妹、長澤まさみ…輝き続ける『東宝シンデレラ』オーディション出身者たちは「強さも兼ね備えている」
女性セブン
9月6日から8日の3日間、新潟県に滞在された愛子さま(写真は9月11日、秋篠宮妃紀子さまにお祝いのあいさつをするため、秋篠宮邸のある赤坂御用地に入られる様子・時事通信フォト)
《ますます雅子さまに似て…》愛子さま「あえて眉山を作らずハの字に落ちる眉」「頬の高い位置にピンクのチーク」専門家が単独公務でのメイクを絶賛 気品漂う“大人の横顔”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン