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クロダイのハネ釣り 房総半島と三浦半島などではスイカ使用

 海水温度が22~23度になる頃から始まるハネ釣りシーズンになった。ハネ釣り、バクン釣りとも呼ばれるそれは、地域によってエサに特徴がある。釣り関連の著書を多く執筆・編集している高木道郎氏が、エサの違いについて解説する。

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 クロダイのハネ釣りシーズンがやってきた。毎年、沿岸部の海水温度が22~23度以上を示す梅雨の中頃から秋にかけて、クロダイ釣り師はタナゼロメートルのハネ釣りに挑む。この時期のクロダイは上方へ注意が向き、海面を漂うエサにも敏感に反応する。そんな習性を利用して、海面に付けエサを浮かせて狙うのがハネ釣りだ。

 ハネ釣りのハネは「跳ね」。海面を漂うエサを捕食して反転するとき、水しぶきを跳ね上げる様子からのネーミングだ。地方によってエサが浮く様子からポカン釣り、クロダイがエサに食いつく様子からバクン(パクン)釣りとも呼ぶ。

 ハネ釣りに使うエサは主にサナギとスイカ。ふつうサナギは水に沈むものをエサにするが、ハネ釣りでは水に浮くサナギを使う。コマセ(寄せエサ)にも浮くサナギを使い、沈むものはすり潰して匂いを拡散させるのに使う。相模湾や駿河湾で盛んな釣り方だが、和歌山県田辺地区では浮かし釣りの名前で親しまれている。

 サナギの代わりにスイカを使うのが千葉県房総半島と神奈川県三浦半島であり、最近は北陸や東北でも行なわれるようになった。

 スイカの細切れを撒き、赤みの強い果肉を赤やピンクに塗装されたハリに刺す。果肉の繊維にハリを引っかけるように刺すのがコツだ。スイカを砂糖漬けにし、比重をつけて通常のウキフカセと同じように釣る方法もあるが、海面を漂うエサに飛びつく様子を見ながら釣る醍醐味は味わえない。

■高木道郎(たかぎ・みちろう)1953年生まれ。フリーライターとして、釣り雑誌や単行本などの出版に携わる。北海道から沖縄、海外へも釣行。主な著書に『防波堤釣り入門』(池田書店)、『磯釣りをはじめよう』(山海堂)、『高木道郎のウキフカセ釣り入門』(主婦と生活社)など多数。

※週刊ポスト2013年8月9日号

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