ライフ

クロダイのハネ釣り 房総半島と三浦半島などではスイカ使用

 海水温度が22~23度になる頃から始まるハネ釣りシーズンになった。ハネ釣り、バクン釣りとも呼ばれるそれは、地域によってエサに特徴がある。釣り関連の著書を多く執筆・編集している高木道郎氏が、エサの違いについて解説する。

 * * *
 クロダイのハネ釣りシーズンがやってきた。毎年、沿岸部の海水温度が22~23度以上を示す梅雨の中頃から秋にかけて、クロダイ釣り師はタナゼロメートルのハネ釣りに挑む。この時期のクロダイは上方へ注意が向き、海面を漂うエサにも敏感に反応する。そんな習性を利用して、海面に付けエサを浮かせて狙うのがハネ釣りだ。

 ハネ釣りのハネは「跳ね」。海面を漂うエサを捕食して反転するとき、水しぶきを跳ね上げる様子からのネーミングだ。地方によってエサが浮く様子からポカン釣り、クロダイがエサに食いつく様子からバクン(パクン)釣りとも呼ぶ。

 ハネ釣りに使うエサは主にサナギとスイカ。ふつうサナギは水に沈むものをエサにするが、ハネ釣りでは水に浮くサナギを使う。コマセ(寄せエサ)にも浮くサナギを使い、沈むものはすり潰して匂いを拡散させるのに使う。相模湾や駿河湾で盛んな釣り方だが、和歌山県田辺地区では浮かし釣りの名前で親しまれている。

 サナギの代わりにスイカを使うのが千葉県房総半島と神奈川県三浦半島であり、最近は北陸や東北でも行なわれるようになった。

 スイカの細切れを撒き、赤みの強い果肉を赤やピンクに塗装されたハリに刺す。果肉の繊維にハリを引っかけるように刺すのがコツだ。スイカを砂糖漬けにし、比重をつけて通常のウキフカセと同じように釣る方法もあるが、海面を漂うエサに飛びつく様子を見ながら釣る醍醐味は味わえない。

■高木道郎(たかぎ・みちろう)1953年生まれ。フリーライターとして、釣り雑誌や単行本などの出版に携わる。北海道から沖縄、海外へも釣行。主な著書に『防波堤釣り入門』(池田書店)、『磯釣りをはじめよう』(山海堂)、『高木道郎のウキフカセ釣り入門』(主婦と生活社)など多数。

※週刊ポスト2013年8月9日号

関連キーワード

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン