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抗がん剤治療の脱毛副作用 「-28℃の帽子」で防ぐことが可能

 がんの主な治療法のひとつである「抗がん剤治療」には、脱毛などの副作用が伴うことが多いが、最近では、そうした患者の悩みを和らげ、解消する方法が続々と登場しているという。新刊『がんの花道』(小学館)の著者のひとりで、翻訳業の傍らボランティアでがん患者の相談に乗っている藤野邦夫氏はこう解説する。

 * * *
 抗がん剤治療を受けると頭髪が抜け、それを気にする患者さんが多くいます。特に女性の患者さんにとって、この悩みはとても深いようです。しかし、こうした悩みを、「がんになれば、そんなものだ」とあきらめる必要はありません。現在では、さまざまな工夫が始まっています。

 たとえば、脱毛が起きやすい「タキサン系」の抗がん剤を使う場合は、事前にヘアを短めにカットしておき、自分に合うウィッグを準備するのが一般的になっています。ヘアが短めだと、脱毛のショックを受ける度合いが少なくなるようです。

 最近では、抗がん剤の点滴が始まる15分前から、点滴中と点滴終了後の15分後まで、マイナス28度ほどに冷やした「フローズンキャップ」という帽子を被って、脱毛を防ぐ方法が一般化しています。頭皮を冷やすことで血管を収縮させ、抗がん剤を毛根に届きにくくするわけです。

 同じ「タキサン系」の抗がん剤では、手足の爪が変色・変形したり、爪がはがれたりする「爪障害」や、手足がはれたり痛んだりする「手足症候群」も起きます。これらのケースでも、点滴の前後15分間と点滴中に、冷たくした「フローズングローブ」や「フローズンソックス」を使うと、副作用を軽減する効果があります。

※長尾和宏・藤野邦夫/共著『がんの花道』より

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