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バブル崩壊で中国政府がさらに反日工作の可能性と大前氏指摘

 世界じゅうから懸念されている中国バブルの崩壊は、日本にとって何をもたらすのか? プラスとマイナス、両方の側面から、今後の可能性について大前研一氏が解説する。

 * * *
 シャドーバンキング(影の銀行)問題や不動産価格の高騰、ハイパーインフレの可能性など、中国におけるバブル経済が終焉するのではないかと怖れられている。この中国バブル崩壊は日本に何をもたらすのか? 「良いこと」と「悪いこと」の両方がある。

 良いことは、中国の金持ちが世界的に見て相対的に割安感のある(=価格上昇が期待できる)日本の不動産に投資するようになり、日本経済にプラスに貢献することだ。

 円安が加速して以降、東京や大阪の都心部の高級マンションは、すでに香港や台湾、シンガポールの富裕層が買いあさって物件が払底し、ミニバブルの様相を呈している。これまで中国の金持ちは主に香港やマカオ、そしてシンガポールなどでマンションを買ってきたが、今後は日本やアメリカでも本格的に買い始めるだろう。

 一方、悪いことはまず、中国経済がハードランディングした場合、中国に進出している日本企業が、その影響をもろに受けるということだ。また、アメリカ、ヨーロッパ、韓国などは中国との交易量が大きく、中国バブルが崩壊したら相当なダメージを被るので、それらの国の企業に部品や機械を売ってきた日本企業も二次的な被害を受けるだろう。

 さらに、中国政府が人民の目を国外に向けるための常套手段として、これまで以上の反日工作を仕掛けてくるかもしれない。中国では「軍事」と「エネルギー」が突出して巨大な利権になっており、尖閣諸島問題や南沙諸島(スプラトリー諸島)問題などは、騒げば騒ぐほど問題が国内でクローズアップされて予算が増え、利権の拡大につながるからだ。

 したがってバブルが崩壊したら、軍部とエネルギー関係当局がその機をとらえ、尖閣諸島問題や歴史認識問題をさらに先鋭化させる懸念がある。

※週刊ポスト2013年8月16・23日号

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