ビジネス

タイ早期進出ジェネリック家電メーカー 大手メーカーが見学

 近ごろ、家電業界では、“ジェネリック医薬品”ならぬ“ジェネリック家電”が注目を集めている。有名メーカーの商品ではないけれど、必要な性能を持ち、値段はかなりリーズナブルだ。

 例えば、テレビなどのAV製品を得意としているオリオン電機。もともと、欧米にも拠点を持ち、海外向けの商品に力を入れていたメーカーで、近年は日本でも注目されるようになった。

 日本国内でオリオン電機製品の販売企画を担当するドウシシャの森田恭司さんは、こう説明する。

「テレビが人気で、寝室や子供部屋用に2台目、3台目として購入するお客さまが多いですね。最近は、ゲームをするのも大きい画面がよいと32型が売れています」

 オリオン電機の商品は、部品の共通化や不要な機能をつけないシンプル化をモットーにすることで、リーズナブルな価格を実現した。

「例えば、テレビの裏面にある端子の数です。大手メーカーのものだと4つの場合が多い。つまり、DVDプレーヤーやゲーム機を同時に4つまでつなげられるのですが、その数を2つにすることで、最低限の機能は保ちつつ、さらにお安くすることができました」(森田さん)

 日本向けの商品はタイの工場で生産しており、それも安く提供できる理由だ。

「タイに進出したのは約30年前。家電業界のなかでも早いほうだったので、大手メーカーのかたが見学に来たりすることもありました」(森田さん)

 ジェネリック家電を販売するメーカーには、異業種から参入した会社も多い。アイリスオーヤマもそのひとつ。もともと収納ケースなどのプラスチック用品を手掛けていたが、2005年からは家電も販売している。

「当初は単身者をターゲットに、コンパクトで使いやすく、お求めやすい価格の家電を販売していましたが、ここ2~3年は“いかにお客さまの不満を解決できる商品を提案できるか”という考えのもと、“生活者目線のものづくり”にこだわっています。お客さまが“いいな、欲しいな”と思い、さらに“この価格なら買う”という2点がポイントです」(アイリスオーヤマ広報室・辻郁子さん)

 現在、大ヒットしている毛取りヘッドを採用したサイクロンクリーナーは、一般的なヘッドの商品と比べ、1.8倍の売れ行き。スティックタイプのクリーナーも、毛取りヘッド搭載商品が通常ヘッドのものに比べ2倍も売れている(いずれも同社比)。

 掃除機の性能はヘッドを付けない状態で測定される吸込仕事率が指針になっている。しかし、吸込仕事率が高いクリーナーでも、ヘッドを付けるとゴミを吸い取る能力が大幅に落ちることに不満を持つ人が多く、それを見事に解消して大ヒットとなった。

※女性セブン2013年9月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン