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ドコモからiPhone 大騒ぎする連中を前にどう見ればいいのか

 これまで何度も噂されてきた「ドコモからiPhone登場」が現実になる気配が濃厚だ。「満を持して」なのか「今さら」なのか、あるいは「どっちでもいい」ことなのか。大人力コラムニスト・石原壮一郎氏が「ドコモからiPhone」のニュースを大人として冷笑する。

 * * *
 世の中には「それがどうした」としか思えないのに、そう口に出しづらいニュースがあります。6日に流れた「ついにドコモからiPhoneが発売!」というニュースは、まさにその典型。いわゆるアップル信者や携帯端末好きの人たちや、あるいは「世の中の流れに敏感なオレが大好きなオレ」にとっては、衝撃の大ニュースのようです。そういう人たちは、歓迎する意見にせよ否定的な意見にせよ、ひと言言わずにはいられません。

 しかし、世の多くのオッサンにとっては、正直「それがどうした」という話。興味もないのに中途半端に話題についていこうとして、「ソフトバンクやauにとっては脅威だね」なんて言っても、「そんなことないんじゃないですか」と軽く流されるのがオチです。

 どうせだったら、このニュースに興奮していそうな若者に、「ドコモがiPhoneを売り始めることが、どうしてそんなに大ニュースなの?」と聞いてみましょう。内輪ウケのどうでもいい理由を並べるか、あるいは言葉に詰まるかする様子を見て、心の中で「やれやれ、しょうがないヤツらだ」と勝手に勝った気になることができます。

 あるいは、「そういう名前の玄関用のインターホンがあったよね。それもついでに売ればいいのに」と小さくボケるのもオススメ。たぶん、というか間違いなくスベりますが、周囲がヒンヤリした空気に包まれるので、どうでもいいことで大騒ぎしている側に冷や水を浴びせかけてやった実感を味わえます。

 このニュースに関しては、これまで何度も日経新聞が先走った“誤報”を出しては、ドコモユーザーのiPhoneファンをガッカリさせてきました。今回もまだ正式に発表されたわけではなく、ドコモ側はさっそく報道を否定するコメントを出しています。そんな過去の経緯を踏まえて、あえて日経新聞をうらやましがってみるのはどうでしょうか。

 まず「日経は、今なら『ほら、だからオレが前から言ってただろ』と自慢できるよね。うらやましいなあ」と持ち上げつつ、「よし、オレも日経を見習うとするか」と宣言します。その上で「オレは、今回もガセネタで終わると見たね」と言い切っておけば、もしかしたら「ほら、だからオレが言っただろ」と威張れるチャンスが来るかもしれません。

 さらに「オレの見立てでは、安倍政権はいつか終わるね」「あと4ヵ月もすれば、2014年が来ているとオレは見たね」といった“予想”をぶち上げるのも一興。続けて「こう言っておけば、あとで『ほら、だから言っただろ』と言えるな」と呟けば、深い意味を込めたメディア批判をかました気になれます。もちろん、深い意味なんてありませんけど。

 このように「それがどうした」としか思えないニュースでも、工夫次第で多彩な活用法があります。大人の貪欲さを発揮して、日々のニュースを楽しみましょう。ま、携帯の機種ひとつで大騒ぎしている側と、やっていることのくだらなさは五十歩百歩ですけど。

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