ビジネス

2020年東京五輪開催で電通への就職志望者増加が確実と専門家

 2020年の東京五輪が決まった。誘致に深く関わった大手広告代理店・電通への就職を希望する学生が増えそうだ。「オリンピックの仕事をしたいです」で電通から内定は出るのか? 作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が考える。

 * * *
 2020年のオリンピック開催地は東京に決まりました。これが就活に及ぼす影響、特にオリンピックに深く関わっている大手広告代理店電通への志望者が増えるかどうかについて考えてみたいと思います。

 結論から言うと、電通の志望者は増えるでしょうね。ただ、「オリンピックに関わりたい」というだけの人は、バッサバッサと斬られ、落ちていくことでしょう。

 電通は国内外の各種スポーツの団体と長年にわたり強固な関係を維持しています。オリンピックやFIFAワールドカップなどの世界的規模スポーツイベントに関して、多様な権利を獲得・保持しています。国際オリンピック委員会(IOC)、日本オリンピック委員会(JOC)などと密接な関係を持ち、それらの放映権、マーケティング権、マーチャンダイズ権などを独占的に販売できる権利を多数保有しているのです。

 ここ数年、電通や博報堂など大手広告代理店の社員と会うたびに、「うちなんか、最近、学生に人気ないだろ?」なんて質問をされたりするのですが、とはいえ、根強い人気があります。ネットベンチャーなどへの就職を考えていた学生たちなども、大手広告代理店の方が大きなビジネスができるし人材の層が厚いことに気づき、そちらに流れるのですよね。そして、今回の東京オリンピックの開催決定で、特需がやってきますし、注目度も上がることでしょう。これが就活における人気アップにつながる可能性はあります。

 とはいえ、このように企業の業績が上がり、人気も上がる時は、ミーハー学生がたくさん受けてくるのですよね。

「オリンピックに、関わりたいですぅ」

 という学生が増えることは間違いありません。これは、都庁を受ける学生も言い出しそうなアピールですけどね。いや、昔も今も、電通を受ける学生の中にはそういう学生はいます。ただ、電通のオリンピックビジネスを理解しているかどうか、オリンピックに関わるとしたら、どう関わりたいのか、そもそもオリンピックビジネスに関わるだけの基礎力がありそうで、今後も伸びそうか。このあたりが問われますよね。

 そもそも、電通でオリンピックに関わる人は何人くらいいるのでしょうか。大きく2つに分かれます。スポーツ局という部署で、スポーツ競技に関するビジネスを仕切るというパターン、そして、オリンピックのスポンサーをする企業に営業やクリエイティブ担当という立場で関わるパターンです。

 スポーツ局は、世界中のスポーツ競技の大会の運営サポートとスポンサー枠の管理を行っています。ちなみに、この枠を売るのは営業の仕事です。

 社員によると、東京オリンピックが決まったので、「オリンピック室のようなものがスポーツ局にできる可能性は高いのでは」とのこと。

 このスポーツ局の社員は200人程度とか。ちなみに、電通単体の社員数は7500人程度です。配属は狭き門と言えそうですね。もちろん、普通の営業や、クリエイティブ担当として、スポンサーにオリンピック関連の案件で関わるということはありますけどね。

 ちなみにスポーツ局は、とにかく長期出張が多いとか。世界中のスポーツイベントに電通が関与しているからです。局のなかは日本語のうまい外国人社員も多数です。

 7年後に向け、3〜4年後くらいから、急激にオリンピック業務(CM、イベント、その他の協賛)が増えてくることが予想されます。オリンピック業務だけ見れば、これから7年で凄まじく業績が伸びるのではないかと予想されています。ちなみに、最近、給与形態が見直され、より実力主義、成果対応型のものになったとか。なんでも、電通はここ数年、史上最低のボーナスだったそうで(それでも世間と比べると高いわけですが)。でも、今の計算方法から言えば、オリンピックに向けてボーナスもウハウハの予感です。

 記念すべき年に、残る仕事をしたい、大きな仕事をしたいという方にはやりがいがありそうですね。まあ、「オリンピックをやりたいですぅ」というだけのミーハーには厳しいことは間違いないですけどね。

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン