ビジネス

【ドル円週間見通し】17日に連邦政府債務上限引き上げの期限

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、10月14日~10月18日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、日米の議会での協議を見極める展開となる。米国議会では、10月17日の連邦政府債務上限引き上げ期限に向けた財政協議を見極める展開となる。日本では、15日からの臨時国会で、成長戦略実行国会としての成長戦略第2弾を見極める展開となる。

【17日:連邦政府債務上限のタイムリミット】
 10月17日の連邦政府債務上限引き上げ期限に向けた財政協議の進展を見極める展開となる。10月17日には、米国財務省は、連邦政府債務上限以下に抑える借入手段が尽きる。10月30日には、デフォルト(債務不履行)が発生し、米国債の格下げ懸念が高まる。10月31日は、最後の国債利払い日となり、利払いを優先するために、中東などの駐留軍への資金提供が減額される可能性が高まる。

【米国連邦準備理事会(FRB)の高官の発言】
 バーナンキFRB議長が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(量的緩和縮小)を見送った理由として、米国議会での財政協議の決着待ち、があった。 米国議会で財政協議が難航したこと、米国の政府機関の一部閉鎖を受けて、物価関連指標や雇用関連指標の発表が見送られたことで、10月29-30日のFOMCでもテーパリング(量的緩和縮小)が見送られる可能性が高まっている。米国連邦準備理事会(FRB)の高官の発言に注目する展開となる。

【成長戦略実行国会】(15日)
 菅義偉官房長官は、臨時国会について「成長戦略を実行に移すことのできる国会にしていきたい」と述べており、成長戦略第2弾への期待感が高まりつつある。

【地区連銀経済報告】(16日)
 地区連銀経済報告は、10月29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)での景気判断の材料となるが、政府機関の一部閉鎖を受けて、経済指標の集計が出来なくなっていることで、景況感を反映した経済報告書とはならない懸念が高まっている。

 10月14日-18日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)10月ニューヨーク連銀製造業景気指数- 15日(火)日本時間午後9時30分発表
・予想は、8.00
 参考となる9月実績は6.29だった。製造業の生産活動の拡大ペースは市場予想を下回っており、やや鈍化している。ただし、9月の新規受注は上昇していることを考慮すると、市場予想はおおむね妥当な水準か。

○(米)前週分MBA住宅ローン申請指数 16日(水)日本時間午後8時発表
・前回実績(10月4日)は+1.3%
 参考となる4日までの週の住宅ローン申請指数は、前週比+1.3%。新規購入需要は減少したが、借り換え需要が増加したことが要因。借り換え向けローン申請指数は+2.5%、新規購入向けローン申請指数は-0.7%。30年住宅ローン金利平均はやや低下しており、申請指数の上昇につながる要因となる。

○(米)前週分新規失業保険申請件数- 17日(木)日本時間午後9時30分発表
・前回実績は、37.4万件
 参考指標となる10月5日時点の数字は37.4万件。前週から大幅に増加したが、カリフォルニア州でのシステム問題や政府機関の一部閉鎖の影響が大きかったようだ。労働市場の回復は継続していることから、政府機関閉鎖の影響を除くと申請件数が段階的に増加する可能性は低いとみられている。

○(中)7-9月期国内総生産- 18日(金)日本時間午前11時発表
・予想は、前年比+7.8%
 参考となる4-6月期の経済成長率は+7.5%。新華社によると、中国人民銀行の易綱・副総裁は、今年の中国の国内総生産の伸び率は7.5%を上回るとの見通しを示した。輸出はまずまず順調に推移しており、個人消費も堅調さを維持している。シャドーバンキングや債務問題は適切に管理されていることから、市場コンセンサスは妥当か。

 主な発表予定は、17日(木):(米)10月フィラデルフィア連銀景況感調査、(米)地区連銀経済報告書公表、18日(金):(米)9月景気先行指数

(注)米政府機関の閉鎖措置が解除された場合、未発表分の経済指標が順次発表される可能性があります。

[予想レンジ]
・ドル・円95円00銭~100円00銭

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
SNSで「卒業」と離婚報告した、「第13回ベストマザー賞2021」政治部門を受賞した国際政治学者の三浦瑠麗さん(時事通信フォト)
三浦瑠麗氏、離婚発表なのに「卒業」「友人に」を強調し「三浦姓」を選択したとわざわざ知らせた狙い
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト