スポーツ

昭和のプロ野球カード「太り過ぎ」「内蔵悪い」等選手を批判

 カルビーの「プロ野球チップス」が今年で発売40週年を迎えた。憧れの選手のカードが出てきた時の喜び、嫌いなチームの選手が現れた時の落胆は忘れられないが、かつての選手カードを眺めると、裏面には味わい深い世界が広がっている。

 1970年代のカードは自由度が高い。まずは球団に「100万円やるから笑え」といわれたことを暴露された高木守道。この頃からファンサービスは苦手だったようだ。

【高木守道(中日)1973年版の裏面説明抜粋】
〈14年間、常に中日のスタープレーヤーとして活躍しているが、高木の欠点は嬉しいときも悲しいときも表情に出さないこと。このため46年の契約のとき「100万円給料をあげるから、グラウンドで笑顔をみせるように……」と昇給してもらった珍しい選手。それ以来ホームランを打ったときなどファンに手をあげてこたえるようになった。プロの選手は表情の豊かさもスターの条件というわけだ〉

 体の特徴も遠慮なく書く。江夏豊には〈ふとりすぎだけが強敵〉、〈最近はちょっとふとりすぎが気になる〉。そして〈ちびっこ巧者〉と紹介され、ひたすら「体が小さい」と書かれ続けるのが土井正三。ただ、〈あの小さな体から大男顔負けの闘志があるんだ。君たちの中に「体が小さい」からと僻むことはないんだ〉と、エールも忘れなかった。

 1980年代には裏面に“ご意見番”が登場。論評を担当したのは、稲尾和久、高田繁、星野仙一の御三方だ。中でも辛口だったのが高田氏。原辰徳(巨人)に〈守りは守備範囲が狭く、ライン寄りに弱い〉、杉浦享(ヤクルト)は〈守備はカンも悪いし肩も弱い〉とバッサバッサと斬り捨てる。

 星野氏も負けてはいない。江川卓(巨人)に対し、〈ヒョウキンに振舞っても過去は消えない〉と、「空白の一日」を蒸し返すかのような、際どいことを子供向けのカードで語っている。

 なぜか、やけに選手の胃腸に詳しいのも星野氏の特徴である。西本聖(巨人)や小松辰雄(中日)に対しても〈内臓が弱いのが難点だ〉と指摘していた。

【西本聖(巨人)1984年版の裏面抜粋】
〈目標にはライバル江川がいるが、存在としては追い抜くことはできない。ただ数字的には追い抜くことはできる。あの日本シリーズ時の気持を忘れなければ18勝はいけるが、ただ内臓が悪いせいか夏場に勝てないのが玉にキズだ〉

※週刊ポスト2013年11月1日号

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト