ライフ

パートのダメな職場は求人広告で見抜ける 良い条件は疑え

 パートを始めようとする時、巷にあふれる求人広告のどこを見ているだろうか。「時給のいいパート、ないかなぁ」そんなことばかりを考えて仕事を探していると、大きな落とし穴が待っているかも。あなたに合う仕事、続けられる職場、そのヒントは求人広告にこそある。

 夫がリストラに遭ったA子さん(52才)は、時給850円の弁当店のほかに、週末は割烹料理店で働くことに。求人広告のフリーペーパーに載った1000円という時給にとびついた。

 最初は土日とも、昼も夜も仕事があった。ところが、徐々にペースが落ちた。言われていた通りに、休前日に出勤確認の電話を入れると「明日は来なくていいです」と告げられることが増えた。「これからどうなるんだろう」。

 さらにもう一つ、明細書を渡されず、タイムカードを早めに押させて約30分間の働き(500円相当)をなかったことにするなど、妙な仕打ちも多かった。A子さんは、なぜパート選びを間違ったのか。ヒントはどこでその仕事を見つけたかにある。

 求人サイトで知られる『アイデム』の東日本事業本部マネジャーの岡安伸悟さんは「求人の出ている媒体は、差別化が図られている」と話す。

 例えば、折り込み広告は新聞と一緒にその世帯へ配られるため、主婦、特に子育てが落ち着いた世代を意識し、インターネットは20~40代の女性層にユーザーが多いという。

「10代は、ネット経由よりも、フリーペーパーのほうが目にとまりやすいようです」(岡安さん)

 雇用側は当然、そうした媒体の特性を踏まえて求人を出す。A子さんはフリーペーパーで、自分向けではない求人を見てしまったのか。どうりで、周りが若いわけだ。ほかにも、見ただけではわからない、求人広告のワナがある。

 B子さん(35才)も、求人広告を見てパート先を決めたうちの1人。仕事は中堅の広告代理店での事務作業だ。週休2日、時給1050円という好条件に加え、正社員登用への道が開かれていることも、B子さんには願ったり叶ったりだった。

 6才の一人娘には、ピアノもバレエも続けさせたい。そのためには、お金が必要だ。ところが、いざ働き始めると、求人広告には書かれていないルールが気になりだした。

「12時からのお昼休みは、外出禁止。お昼を食べに出かけると、1時間では帰ってこない人がいるからというんです。なので職場でお弁当を食べるんですが、なんだか息が詰まってしまって。電話が鳴れば対応しなければならない。もちろん、昼休みなので、時給は出ません」

 それでも、正社員になれるなら我慢もできた。

「ウソでした。そもそも、その事務所で働いている人のうち、正社員は1人だけなんですよ。ほかの人はみんな、私みたいに『正社員になれるかも』と思ってやってきて、現実を知った人ばかりです」

 思いあまって、娘に、ピアノかバレエ、どちらかやめることを促したら、大声で泣かれてしまった。 求人広告には書かれていなかった、職場の暗黙の了解。このやっかいな存在を見抜くには、どうしたらいいのか。

 それは「時給だけにつられないことです」と岡安さん。特に、業務内容がさほど大変そうでないのに、時給が高い場合は、注意が必要という。

「ずっと求人が出続けているケースも要注意です。もちろん増員の場合もありますが、人が定着しにくい理由があるとも考えられます」

 高い時給も破格の条件も、疑ってみたほうがよさそうだ。

※女性セブン2013年11月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン