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ADの薄給は時給換算で約333円 東京都の最低時給の半額以下

 華やかなテレビ業界だが、アシスタントディレクター(AD)の仕事はとんでもなく過酷だという。不眠不休のキツイ仕事にもかかわらず、制作会社のADの給料は安い。

 元テレビ番組制作会社ADで、『AD残酷物語-テレビ業界で見た悪夢-』(彩図社刊)の著者・葉山宏孝さんは言う。

「私の知り合いのドラマ制作会社のADは、月給20万円でしたが、最も多忙な時期は、1日の労働時間がなんと20時間でした。それがほぼ1か月間、続いたそうです」

 もちろん残業代は1円も出ない。時給に換算すると、約333円。東京都の最低時給の半額以下だ。

 そんな安月給に加えて、自腹で経費を切ることもあるという。前出・葉山さんが続ける。

「台本を何部もコピーするんですが、制作会社のコピー機はすぐ壊れたりするので、外部の業者に頼むことがあります。それを自腹で払うのが “掟”という制作会社もあるそうです。自腹のコピー代がこれまで累計10万円になった知り合いもいました」

 過酷な労働環境ゆえに体を壊すADも多いが、報道番組担当のAさんは、病院に行けない事情があるという。

「健康保険に入ってると、月に給料から1万~2万円くらいひかれるんです。それでは生活できないので、健康保険には入っていません。だから、ぼくは無保険。病気をしても病院に行きません。そもそも病気しても仕事を休めませんし。本気で転職を考えています」

※女性セブン2013年12月5日号

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