ビジネス

電通・資生堂・SBが組んだ「汐留女子会」が就活の流れ変える

 女子就活生確保に大手企業同士が連携する動きが始まった。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏は、そこに就活の新しい動きをみる。

 * * *
 いよいよ12月1日の、2015年度の就活解禁日が近づいてきました。まあ、インターンシップや、水面下での接触はもうとっくに始まっているのですけどね。注目のトピックスをご紹介しましょう。

 12月6日に興味深い合同企業説明会が開催されます。その名も「汐留女子会」です。 電通や資生堂、ソフトバンク、富士通、リコー、三井化学、日本通運、トッパン・フォームズ、パナソニックという、東京・汐留に本社や主要拠点を置く上場企業9社が女子学生向けの企業説明会を合同で開催します。11月20日付の日本経済新聞が報じました。

 私がこの企画に注目するのは、現在の採用活動で企業が重点的に取り組むべき課題と解決策がてんこ盛りになっていると感じたからです。

 まず、「女子限定」という切り口です。これ自体は、実は珍しくありません。ここ数年、各社の個別の企業説明会や、合同企業説明会で行われてきました。

 例えば、金融機関がカフェなどを貸し切りにして女子会セミナーなどを開催するなどの取り組みが話題となりました。就職情報会社も、女子限定合同企業説明会を実は毎年のように開催しています。ただ、これらは、一般職、特定総合職(勤務地や、昇進・昇格の上限が限定されている)の採用を成功させるために行うものという色も強いものでした。

 今回の大手9社の動きは、女性を積極的に採用し、活躍してもらおうという色を感じます。いかにも女性の一般職を大量に採用したいという企業が参画していないことが特徴だと言えるでしょう。

 これは、昨年くらいからの採用のトレンドとも重なっています。これまで明らかに男性を優先して採用していた企業が、女性の採用数を増やしていると感じます(公なデータには出てこないもので、あくまで私の取材の体感値ではありますが)。よく、採用担当者が語るのは、女性の方が就活に堅実に取り組むこともあり、選考では彼女たちの方が男性たちよりも優秀に見えるという声をよく聞きます。ただ、いまだに結婚出産による退職などを懸念し、ずっと働く男性に下駄を履かせて評価するという動きもありました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン