昨年くらいから男女を公平に選考し(建前では当たり前のことなのですけど)、内定者におけるシェアも女性が、5割〜7割をいう企業が散見されるようになりました。女性の活躍を応援するというのもそうですが、大器晩成型と言われる男性の成長を待っている暇もないとも言えます。
もう一つは、大手企業同士のコラボセミナーであるということです。これも、2000年代半ばくらいから見られる動きではありましたが、異業種でコラボすることによって、一緒にイベントを作り上げるのは実に合理的なのです。まだ志望先が決まっていない学生にとっては、知らない企業との出会いも期待できるわけです。企業にとっても、普通の採用活動では自社に振り向かない学生にアプローチできるわけです。
このように説明すると、「それなら、合同企業説明会と変わらないのでは?」という意見もあるでしょう。違うのです。東京ビッグサイトなどで開催される、就職情報会社主催の合同企業説明会は規模が大きすぎて、落ち着いて企業と学生が交流できないのです。今回のイベントは大手9社限定、動員も600人程度と、適度な規模なのです。
さらに言うならば、就職情報会社を通さなくても、知名度の高い大手企業同士が組むことによって、強い場をつくり、学生を動員することができるというわけです。いわば、この取り組みが示すのは、就職情報会社不要論とも言えます。
2013年度採用より、倫理憲章の見直しがあったため、採用広報活動の開始時期が大学3年の10月から12月にずれています。開始時期が遅くなったため、採用活動は、「学生の時間の奪い合い」と化しています。企業にとっては学生に効率的にアプローチすることができるというわけです。
女性限定にしろ、企業同士が組むという取り組みにしろ、昨今の採用環境を考えると極めて合理的というわけです。2015年度の採用活動を象徴する取り組みの一つだと感じました。学生にとっては魅力的な場ですが、このような狙い、下心を感じる次第であります。