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プロレス人気復調 「AKBとももクロを参考にした」とDDT社長

アイドルとプロレスがコラボした両国国技館大会

 かつては大晦日にいくつも興行が行われるほど隆盛を誇った格闘技だが、2013年は入れ替わるようにプロレスやプロレスラーの姿や言葉を目にする機会が増えた。日本最大手の新日本プロレスとともにブームを牽引するプロレス界の“ももいろクローバーZ”、DDTプロレスリングの高木三四郎社長に、プロレスが注目を浴びるための工夫や、プロレス団体のカスタマーサービスについて聞いた。

 * * *
――プロレスが再びブームを迎えつつあると言われています。

高木三四郎(以下、高木):かつては世間一般にプロレス会場へ行ったことがある人は多かったし、いつでも観に行ける雰囲気がありました。ところが、2000年代になるとだんだんプロレスやプロレスラーまでが遠い存在になってしまった。でも、最近は大会場での大会も増えてきて、あらかじめ知っている人以外にもプロレスが目に入るようになってきた。2013年は8月だけ見ても、両国国技館で新日本プロレスさんが2日間、DDTが2日間と4日間も大会を行いました。プロレスが盛り上がってきた感じがありますね。

――DDTの両国国技館興行といえば、多種多様なゲストが数多く登場し話題になりました。

高木:違うジャンルのファン層にアプローチできるよう、3年ぐらい前から意識して工夫しています。僕らの情報はプロレス専門誌や情報サイトに載りますが、そのままでは、もともとプロレスに興味がある人にしか届かない。ですが、異なるジャンルのニュースになれば、たとえば音楽専門サイトで「プロレス」「DDT」といったキーワードが露出して知らなかった人にもプロレスに興味を持ってもらえるきっかけになる。

 2013年8月の両国国技館では俳優の坂口憲二さんに渡辺哲さん、大槻ケンヂさんが歌い、ウルトラセブンも登場しました。アイドルではLinQ、しず風&絆~KIZUNA~、アップアップガールズ(仮)に新田恵利さん。普通なら世代が大きく違うアイドルが共演することはありませんが、プロレスでは長州力さんのような大ベテランと若手が同じリングの上に立ちます。アイドルでプロレスの縮図を再現し、プロレスの魅力を感じて欲しかったんです。

――異ジャンルとのコラボで、多くの人を集めるコツのようなものはあるのでしょうか?

高木:動員力がもっとも高いのはアイドルですね。両国大会の初日の入場者は8500人でした。客席に光るサイリウムの数からの推測で、そのうち1000人ぐらいはアイドルのファン。1000人規模のワンマンライブができるようになった、これから大きくなるアイドルのファンは熱狂的です。まだ成熟しきっていない彼女たちを自分たちの手でメジャーにしたい熱い思いが、プロレス会場にも足を運ばせているんだと思います。

――どんなきっかけで、こういったコラボを始めることになったのでしょうか?

高木:チケットを買ってAKB総選挙の結果発表を観に行ったら、プロレスTシャツを着た人がとても多かったんです。プロレスファンがアイドルに夢中になるなら、逆も可能だと思いました。アイドルのことを組織やシステムの観点から見直してみたら、プロレスにも流用できる部分が多いと気づきました。たとえば、ももいろクローバーZが異ジャンルのフェスに飛び込んでファンを広げている手法は僕らもどんどんやっているし、DDTプロレスリングでも総選挙を始めました。

――AKBのようにCD販売がありませんが、投票はどのようなシステムですか?

高木:チケット購入をするか、3000円以上のグッズを買う方法の二通りで投票券が入手できます。なかにはすごい人もいますよ。50票くらいがひとつの封筒に入ってきたこともありました。

 選手からは「そんなことを真似しなくても」という声もありましたが、プロレスこそ序列を崩す行為である人気投票をやらなくちゃいけない。投票結果が発表される日なんて、控え室ではみんな黙ってピリピリしていますよ。2013年総選挙は、僕自身はケガで不出馬でしたが、参加せずに見ると総選挙は楽しいなと実感しました(笑)。上位18名に入らないと、その後の後楽園で試合が出来る選抜メンバーになれないから選手も必死です。

 総選挙のおかげで選手の意識がすごく変わりました。以前よりも体づくりに熱心になり、表現力も豊かになりました。技術も向上して試合のクオリティが上がりましたよ。常にファンがどう受け止めるかを考えて動くようになったんです。ただ練習して強くなるだけがプロレスラーではないと実感できる機会になったと思います。

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