ビジネス

元生保営業マンが解説 営業トークで使う「影響力募集」とは

 消費者にとって、種類が多く複雑な保険商品から自分に最適なものを選ぶのは至難の業。だからこそ生命保険の営業現場や広告などでは、「わかりやすいキャッチコピー」を使って消費者を誘導しようとしている。新刊『生命保険の嘘』(小学館刊。大江英樹氏との共著)を上梓した、大手生保の元営業マンで現在「保険相談室」代表を務める後田亨氏は、特にCMや広告に使われる「数字」に注意すべきと訴える。

 * * *
「先日、こちらの職場でお会いした方も弊社でご契約いただきました」

 大手生保の営業部で働き始めた頃、「影響力募集」という言葉を上司に教わりました。営業マンとして駆け出しの私がお客様に「この商品がおススメです」と言っても説得力に欠けるから、「他者の力」を使うように指導されたのです。冒頭の言葉は、セールストークの中に挟んで使いました。

 保険販売から離れた今でも、“影響力”を利用した勧誘が行なわれていることを実感する場面は多くあります。保険会社や代理店の広告などで使われているコピーがまさにそうです。

「ご契約者は約1000万人」(日本生命)
「がん保険は保有契約件数No.1、そのシェアは74.1%、さらに医療保険〈EVER シリーズ〉も一番選ばれています」(アフラック)
「年間20万件以上の相談実績」「保険契約継続率97%以上」(ほけんの窓口)

 ここで取り上げた広告などで使われるコピーの例は、いずれも数字を強調したものです。単に「人気です」と言うよりも客観性があるとの計算かもしれませんが、数ある商品から適切なプランを選ぶのが大変であるという消費者の足下を見て、多数派や権威に従うことを促しているようにも思えます。

※後田亨・大江英樹/著『生命保険の嘘』(小学館刊)より

関連キーワード

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン