ビジネス

賢い保険選び 保険会社の社員が入っている保険に注目すべき

 じっくり選んで検討するのはとても面倒だから、「他人と同じモノ」で済ませる……買い物や外食をする時、そんな「選び方」をしたことはないだろうか。ラーメン店で同僚がチャーシュー麺を選んだから「僕もチャーシュー麺」というのと同じように生命保険を選んでいる人も多いという。『生命保険の嘘』(小学館刊。大江英樹氏との共著)を上梓した「保険相談室」代表の後田亨氏は、そうした消費者の「選び方」に落とし穴があると警告する。

 * * *
「皆、どうしているのでしょうか」

 先日、ある企業の労働組合主催の保険セミナーに招かれた際、社会人1年生の社員の方からそう尋ねられました。親や先輩からは「社会人になったら保険に加入するのが当然」のように言われているが、自分と同世代の人たちは実際にどんな選択をしているのか知りたいと言うのです。

 私は、「たしかに『皆、どうしているのか』は気になりますよね。でも、『皆の選択』に倣おうとしてはいけないと思います」と答えました。

「皆が選ぶ保険」は多くの場合、保険会社や営業担当者が高い収益・報酬を得るために消費者を「誘導した結果」である可能性が高いからです。つまり、商品の売り手にとって都合が良いだけで、消費者として望ましい選択ができているとは考えにくいのです。

 むしろお手本とすべきは保険会社で働く人が入っている保険だと思います。それも営業担当者ではない人がいいでしょう。営業部門では販売促進につながる教育が行なわれるためか、入院リスクへの対応から老後資金準備まで、ありとあらゆる事態に保険で備えたがる人もいます。それを真似していたら、いくらお金があっても足りません。

 その点、管理部門で働く人などは対照的です。彼らは基本的に「子供が自立するまで、世帯主の万が一に、一定期間、低料金の保険で備える」くらいだからです。具体的には個人向け保険の半額くらいで済むことがある「団体保険」(勤務先を通じて入るグループ保険)を愛用しています。

 入院保障などを求める人が皆無とは言えませんが、ほとんどは「健康保険が最強」という考え方をしています。また、長く低金利が続く中、保険を使って貯蓄することにこだわる人も例外的だと言っていいでしょう。

 ちなみに保険営業をしていた時代の私は「皆は……」と尋ねる人が“大好き”でした。「皆が入っている保険」を提示することで、短時間で成約に至ることが多かったからです。

※後田亨・大江英樹/著『生命保険の嘘』(小学館刊)より

関連キーワード

関連記事

トピックス

実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン