ビジネス

NHK会長 三井物産出身者による騒動は26年前に続いて2度目

 NHK新会長に就任した籾井勝人氏(70)の従軍慰安婦発言が、国内外に波紋を広げている。公平・中立が求められる公共放送。そのトップの偏った“持論”に対して安倍首相が衆院本会議でコメントを迫られるなど、事態は一向に収まる気配がない。

 籾井氏とはいったいどんな人物なのか――。

 福岡県出身で地元の九州大学を卒業後、大手商社の三井物産に入社。同社内でも本流と呼ばれる鉄鋼畑を歩み、1997年には取締役鉄鋼原料本部長に就任した。

「大きな取引先だった新日鉄(現・新日鉄住金)にさらに深く食い込むため、落語を習っていた」(業界関係者)

 とのエピソードもあるほどで、相手の関心を引く話術は三井物産時代に磨かれていた。そうした努力も報われ、2000年に米国三井物産の社長にまで昇りつめるも、本社内の役職は副社長まで。

 出世コースに乗りながらも社長になれなかったのは、「バンカラな社長よりも調整型の社長のほうが相応しかった」(前出・関係者)から。結局、口が災いの元になったのかもしれない。

 その後、2005年に三井物産から日本ユニシス社長に転じて、この度、NHK会長に就任した。

 実は、三井物産出身のNHK会長は籾井氏が初めてではない。1988年にNHK初の経済界出身会長になった池田芳蔵氏は三井物産の元社長。日本とイランの石油化学プロジェクトを推進するなど、凄腕の商社マンだった。

 だが、そんな池田氏もNHKで失態を演じ、わずか9か月で会長を退任してしまった。経済誌『月刊BOSS』編集長の関慎夫氏が当時を振り返る。

「経営センスが期待されてNHK会長になったものの、国会答弁でいきなり英語を喋り出すなど支離滅裂な言動が目立ちました。じつは池田氏は加齢のせいか判断能力に欠けていたのです。物産の関係者はそのことに薄々気付きながらNHKに送り出したといいますから、信じられない話です」

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト