本誌前号(1月31日号)でスッパ抜いたように、1月14日の細川氏との会談で「赤穂浪士の誓い」を交わしていた小泉氏は、迷いが見えた細川氏に、「電話で“討ち入り決行”を迫った」(細川周辺)のだという。
こうなると、官邸・自民党も「小泉―細川」潰しに本気になるしかなくなった。政権の意を汲む大メディアが脱原発連合に浴びせるバッシングの集中砲火も激しさを増している。
批判のパターンは各紙特徴がある。日経や産経が展開しているのが、「反原発は国政でやれ」という主張だ。
〈細川氏は首相経験者だ。「原発政策は国の存亡にかかわる」と思うなら、国政に復帰して仲間を募り、自らの主張の実現に取り組むのが筋だ。細川氏とタッグを組む意向を表明した小泉純一郎元首相も同じではないか〉(日経1月15日付)
一見、正論に聞こえるが、安倍政権が原発再稼働の手続きを着々と進める一方で、国政選挙は2年後の参院選まで予定されていない。両紙の主張は、何人も次の国政選挙まで国政にノーはいわず、再稼働を指をくわえて見ておけばいいと、政治行動を封じ込めるに等しい。
毎日はワンフレーズ政治と呼ばれる小泉氏の手法を〈今回も通用するとは限らない〉と批判。
読売は、ジャーナリスト・池上彰氏の著書の中で細川氏が、「オリンピックで金メダルをたくさん取るよりも、いまこの時代に原発をどうするかということのほうが、日本の将来にとってよほど重要な話のはずだ」と発言し、「五輪返上」に言及していることを、「五輪返上となれば国際的信用を失う」と執拗に批判している。しかし、実際に知事選公約で“五輪返上”を掲げたわけではない。
「読売は東京五輪の招致スポンサーで、社内にオリンピック・パラリンピック事務局を設置して準備に余念がない。その五輪を『原発をどうするかの方が重要』と否定されたことに反感を持っている」(他紙の編集幹部)
※週刊ポスト2014年2月7日号