国内

財界系メディアから細川元首相に都知事選への撤退工作あった

 1月23日の東京都知事選の告示日、新宿、渋谷で細川護熙、小泉純一郎の両元首相がマイクを握ると、街頭演説には黒山の人だかり。熱の籠もった小泉節は健在だった。

「震災による原発事故でいてもたってもいられなくなった。日本人はピンチをいつもチャンスに変えてきたし、今回も日本を変えるチャンスだ。それなのに、なぜ、変えないんだ。やればできることを、なぜやらないのか!

 私もかつては専門家のいうことを信じた。『原発は安全でクリーンで安いエネルギーだ』と。元総理として不明を恥じる。原発は安全ではない。コストだって安くない。いきなり原発ゼロはできないというけれど、いま1基も動いていないじゃないですか!」

 演説が佳境に入ってくると、後ろで聞いていた細川氏は、感極まったのか、思わずハンカチで涙を拭った。

 その頃、首相官邸では、スイス訪問中の安倍晋三首相の留守番をしている菅義偉・官房長官が険しい表情を隠さなかった。

「なんだ。結局、出てきたのか」──。

 自民党が独自に18、19日に行なった都知事選世論調査では、「舛添氏41ポイント、細川氏16ポイント、宇都宮氏15ポイント」と舛添氏が他の2人にトリプルスコアをつけて突き放していた。菅氏も告示2日前まで、記者団とのオフ懇で、こう上機嫌だったのだ。

「最初からいってるでしょ。脱原発は都民のニーズと違うよね。やっぱり関心が高いのは福祉と五輪だ。小泉さんと2人揃って会見してから、細川さんの支持率下がっているんでしょ。都知事選はそんなに甘くないんだよね」

 なのに、なぜ告示日には打って変わって、表情を曇らせていたのか。実は、官邸はギリギリまで、細川氏に立候補を断念させるべく工作を続けていて、実際に出馬を見送るという見方も多かったのだ。自民党都連幹部が語る。

「殿様はうちの調査結果を知って動揺し、公約発表をズルズル引き延ばして出馬辞退に大きく傾いていた。財界やメディア界の大物たちも、『大敗すれば細川家の名前に傷がつく』と名誉ある撤退を進言していたし、細川側近でさえ別の候補を探していた。そうなったら舛添候補の“不戦勝”だった。ところが、あきらめの早いはずの殿様が、今回はなぜか出馬に踏み切った」

 土壇場で細川氏の背中を押したのは何だったのか。それが、小泉氏の存在だった。

トピックス

「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン