夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回は寄せられたのは、ご主人(50歳)が商社勤務の奥様(47歳)。ご主人の怒りポイント、なかなか理解できません。
* * *
たとえばカニクリームコロッケを作った時のこと。中がアツアツで、食べたとたんに夫は「熱っ!」。私が「ごめんね」と謝って、その時は大丈夫でした。後日、今度はメンチカツを作り「熱いから中を開けるなり冷ましてから食べてね」といったのに、夫はそのままパクリで「熱っ!」。私が前と同じく「ごめんね」と謝ると、今度は大激怒です。「お前の注意を聞かずに食べたオレが悪い。なのになんでお前が謝るんだ! 悪くないのに謝るな!」。
夫は怒ると延々と講釈が続きます。「謝罪の言葉には3つある。『ごめんなさい』は『御免なさい』で過ち、非礼を詫びる言葉だ。『すみません』は、自分の気持ちが片付かない(済まない)ということ。『申し訳ありません』は申し訳が立たない、弁解の余地なしだ」。
こうなると私もうっぷんが溜まります。この前、部屋に掃除機をかけながら夫にこういいました。「掃除機がすぐに詰まるの。こういう時はなんて謝るのかしら? アナタの抜け毛が多いのが原因だから、『毛(申)し訳ない』かしらね!」。
夫ですか? 弁解の余地なく黙って、自分の部屋へ逃げ込んでいきましたよ。
※週刊ポスト2014年3月7日号