国内

反安倍首相の論客が干される TV局が官邸の監視にビビる現状

 NHKについては、安倍晋三首相肝いりで籾井勝人・新会長が就任以来、番組内容が政権寄りに偏っていることが取り沙汰されてきた。最近のニュースでは、野党の質問より安倍首相の答弁の時間が圧倒的に長いのが定番化しており、なかには首相の答弁だけで構成されていた日もあった。

 森喜朗・元首相が浅田真央選手について「あの娘、大事な時には必ず転ぶんですよね」と発言したことをNHKだけが取り上げようとしなかったりといった、放送内容をめぐる「異変」も起きている。

 NHKが着実に「安倍色」に染まりつつあるなか、実は他の民放でも官邸の影響力は強まっている。その証拠に、ニュース番組やワイドショーから、反安倍派のコメンテーターが次々と外されているのだ。

「テレビ朝日系『ワイド!スクランブル』では、この4月、古賀茂明氏やなかにし礼氏などの反安倍派の論客がレギュラーから外されることになった」(テレ朝関係者)

 古賀氏を直撃すると、「外されたのは事実だが、出演者は全員見直しだと聞いている」とのことだった。政府の原発再稼働などに反対する古賀氏のレギュラー出演は、関西ローカルの朝日放送だけになる。

 反安倍的な主張によってニュース番組から外された人はほかにもいる。経済アナリストの森永卓郎氏もそのひとりだ。

「一部で、『森永卓郎はビビッてニュースやワイドショーに出ない』という指摘が出ていたんですが、それは事実ではなく、テレビの方が使ってくれないということなんです。バラエティ番組には出ているので、露出は減っていないのですが、間違いなく、ニュースやワイドショーには使ってもらえなくなっている。

 例えば今後の景気について私は、『4月から奈落の底になる』とずっと言い続けてきました。が、そうした見解は、テレビは一切取り上げてくれない。放送されているのを見ると、ベアが次々に行なわれているので、景気も明るい兆しが出ているというふうな内容にしたがっていることがよく分かります。

 結局、はっきりモノを言う人間を使わなくなったのでしょう。その結果、当たり障りのない人がコメンテーターに選ばれるようになったわけです」

 いまやどの番組を見ても、NHK同様、安倍政権側の言い分をストレートに垂れ流すだけ。しかし、それには事情があった。

「数字がちょっとでも違ったり、首相の発言のニュアンスの微妙な違いだけでも『そういう言い方はしていない』と官邸サイドからクレームが入る。首相本人が話しているVTRでも、『なんでこの部分をカットしたのか』とまでいってくることも」(民放ディレクター)

 安倍官邸の監視の目にテレビ局側がビビッているわけだ。
 
※週刊ポスト2014年3月28日号

トピックス

女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
大谷翔平(写真/Getty Images)
《昨年は騒動に発展》MLBワールドシリーズとNPB日本シリーズの日程が“まるかぶり” NHKがワールドシリーズ全試合放送することで新たな懸念も浮上 
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(HP/時事通信フォト)
「私嫌われてる?」3年間離婚を隠し通した元アイドルの穴井夕子、破局後も元夫のプロゴルファーとの“円満”をアピールし続けた理由
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン
小野田紀美・参議院議員(HPより)
《片山さつきおそろスーツ入閣》「金もリアルな男にも興味なし」“2次元”愛する小野田紀美経済安保相の“数少ない落とし穴”とは「推しはアンジェリークのオスカー」
NEWSポストセブン
aespaのジゼルが着用したドレスに批判が殺到した(時事通信フォト)
aespa・ジゼルの“チラ見え黒ドレス”に「不適切なのでは?」の声が集まる 韓国・乳がん啓発のイベント主催者が“チャリティ装ったセレブパーティー”批判受け謝罪
NEWSポストセブン