そんな同好の士となら「団塊起業」をしても成功のチャンスはあるはずです。定年延長や再雇用で嫌な仕事を続けるのでは、年下からも嫌われます。有利ではなく、好きなことを仕事にするのです。
今や団塊世代を核とする高齢者は人口全体の30%を占める巨大なマーケットになりつつあります。にもかかわらず、まだまだシニア向けの音楽、本、食事、洋服、スポーツ、習い事教室などのモノやサービスは不十分です。
そこで、団塊世代が、自分たちの好きなものを同世代に向けて提供すれば、必ず大きなマーケットは生まれます。例えば旅行好きの仲間で、シニア向けのツアーを企画してもいい。
家事や育児、介護が好きな人なら、男女を問わず、それをビジネスにしてもいいでしょう。日本の起業率は世界最低の4%ですが、なかでも20代が少なく、60代の起業が多いんです。今の若者は臆病です。その分シニアにチャンスがあります。
団塊の世代が働いて、団塊の世代がおカネを使う。65歳以上で「需要」と「供給」が回り出すだけでも、今後10年で日本経済は少なくとも10%の成長が見込めます。逆に、団塊の世代が意識を変えて動き出さなければ、日本経済の成長はない。
団塊の世代は、永年の努力で「金持ち、知恵持ち、時間持ち」になれたのです。気儘に生きましょう。
※週刊ポスト2014年4月18日号