国内

「団塊」生んだ堺屋太一氏「職縁社会捨て好縁社会に生きよ」

 高齢者となった団塊世代の“停滞”は、今後の日本経済に行き詰まりをもたらしかねない。処方箋はあるのか。「団塊」という言葉の生みの親であり、経済企画庁長官を務めた作家・堺屋太一氏(1935年生まれ)に話を聞いた。

 * * *
 今後の日本経済の成長のカギを握っているのはやっぱり団塊の世代です。この世代に代表される日本の高齢者は、1000兆円の金融資産を持っています。これを活かさねばなりません。

 そのためには、団塊世代自身の意識改革が必要です。団塊世代の大半は、衣食住ともに、職場内の関係だけで完結するコミュニティに属し、職場から与えられた仕事に励むことが幸せだと考えてきました。これを私は「職縁社会」と呼んでいます。こうした価値観は、実は官僚によって作られたものです。

 戦後日本の目標は、規格大量生産を可能にする工業社会の実現でした。それは太平洋戦争の敗因が物量不足にあったという認識に起因します。そのトラウマを利用して、官僚たちは規格大量生産型の企業に人材を集中するよう誘導したんです。

 かくして高度経済成長の担い手となった団塊世代ですが、会社を定年退職した途端、社会から“お役ご免”とばかりに「お荷物」扱いされてしまう。年金や医療福祉の負担が大きいことから、今や大マスコミからは、「不良債権」と揶揄される始末です。

 しかし、団塊世代が、自らの価値について悲嘆する必要はありません。これまでの“幸せな人生”は官僚に作られた価値観だということを認識し、その呪縛から自らを解き放てばいいのです。

 まずは、自分が本当は何をしたいのか、自分が好きなものは何かを問い直してほしい。65歳を超えてから真の“自分探し”を始めても遅くはありません。これまでの「職縁社会」から抜け出し、自分の好きなことを掘り起こせば、同好の士が集まり、グループを組むことができます。私はそれを「好縁社会」と呼んでいます。

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン