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「相手がダサイ」と姉の結婚に反対した女性が後悔した理由

 涙にはストレス解消の効果があるという──。印刷業29才の女性が感動のエピソードを披露します。

 * * *
 小学生の頃、両親が交通事故で他界し、私は親戚に預けられることに。年の離れた大学生の姉はひとり暮らしを始め、別々に暮らすことになりました。叔父と叔母はやさしかったけれど、意地悪な従妹と相部屋で、肩身の狭い思いをしました。週末に大好きな姉に会い、そこで1週間の愚痴を言い合うのが、私には唯一の楽しみでした。

 私が高校生になった頃、姉に彼氏を紹介され、結婚するつもりだと言われました。彼氏は顔もスタイルもファッションもイマイチで、私は猛反対。姉ならもっと素敵な彼氏ができるはずだと思ったし、こんな人に姉を取られたくないとも思いました。

 数日後、姉から「結婚はしない」と連絡が来ました。私はそれを叔母に報告。叔母は驚いたようで、「どうしてかしら?」と言うので、「だって、あんなダサイ男と家族になるの嫌だから、私が反対したの」と言うと、叔母に頬を叩かれました。そして、「口止めされていたけど…」と叔母が話し出しました。

 両親が亡くなった頃、私たち姉妹を引き取りたいという親戚はおらず、姉が親戚に頭を下げて回ったというのです。金銭的に厳しかった叔母は、姉が生活費を入れるという条件で私を家に迎えたのだそう。大学に通っているとばかり思っていた姉は、大学をやめて働いていたそうです。そして、そんな姉を支えていたのが、紹介された恋人だったのです。

 私はすぐに姉に謝りにいきました。姉は「あなたに認められなかったら、結婚する気はなかったの。ふたりきりの家族なんだから」と、私の頭をなでてくれました。姉はずっと私をいちばんに考えてくれていたんだと気づき、自分が情けなくなりました。

 結婚式の姉は本当にきれいでした。苦労をかけた分、幸せになってもらいたいと思いました。

※女性セブン2014年4月24日号

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