ライフ

中高年になった学生時代の高嶺の花が簡単に誘いに応じる理由

『ビッグコミックオリジナル』(小学館)に連載されている『黄昏流星群』。弘兼憲史氏のこの人気漫画で今、中高年男性なら誰もが夢想する恋が描かれている。

 それは「星々流転」というストーリー。東京・杉並に住む専業主婦・鈴木麻紀(50)は、小学校時代の同窓会に出席し、かつて同じクラスだった船村健太(50)と出会う。

 小学校時代の船村は貧乏な家に育ち、学校ではいじめられっ子だった。しかしその後、独力で製作所を立ち上げ、世界的な企業に育て上げた。いじめられっ子時代の船村を、唯一優しく気遣っていたのが、クラス委員でクラスのマドンナ的存在だった麻紀だったのである。

 船村は「今も独身を貫いているのは、あなたのことが忘れられなかったからだ」と、麻紀に恋心を打ち明ける。麻紀は逡巡しつつも、ついにはホテルで船村と結ばれる。

 こんなドラマチックな話、フィクションの世界でしか起こらないだろう、と考えてはいけない。中高年男性に取材すると、青春時代に「高嶺の花」だった女性と、長い月日を超えて結ばれる。そんな悲願を果たした男性は意外に多いのである。

 なぜかつての「高嶺の花」たちは、いとも簡単に誘いに応じてしまうのだろうか。恋人・夫婦仲相談所所長の二松まゆみ氏が分析する。

「中高年になり、特に主婦として家庭に入った女性は、夫以外の男性と触れあう機会が非常に少なくなっています。そして多くの場合、その夫からも女性として扱われていない。その喪失感は、総じて学生時代に“美人”“マドンナ”ともてはやされた女性のほうが大きい。

“女として、このままでいいのだろうか”という不安を感じている時に、学生時代と同様の憧れをもって接してくれる男性がいれば、心が満たされるのは当然です。だからこそ男性にも、高嶺の花を口説くチャンスが出てくるのです」

 ある55歳の女性も、二松氏の意見に同意する。

「私たちの世代の女性って、本当に出会いがないんです。ご近所で男性と立ち話をしているだけで、“あの家の奥さんははしたない”と陰口を叩かれるんじゃないかと、不安になってしまう。

 その点、昔の仲間との同窓会は大義名分があるので気が楽なんです。私もここ10年で、中学や高校、大学の同窓会など、何度か参加しました。ここだけの話ですけど、常に出会いを期待しています。下着もお気に入りを着て出かけたり(笑い)」

※週刊ポスト2014年4月25日号

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン