リクルートグループ全体が、IT人材の強化に取り組むなど、営業が強い企業から、システムで勝負する企業に変身しようとしているとも言えます。一連のリクナビの新機能には、「すごいプラットフォームをつくる」「手離れのよいサービスにする」という思想が見え隠れします。
たしかに、ITの世界で言うと、最近、TwitterやFacebookのインターフェースが突然変わったり、少し前ですがGoogleが突然RSSリーダーを廃止したりという動きがありました。求人広告会社から、システムを売る企業に変身しているとも言えます。ただ、このあたりが、学生、大学教職員、企業の採用担当者に理解されていなかったのでしょう。
一方のマイナビは、特に学生に対してやさしい雰囲気があると、学生からも企業かも評価されてきました。愛されるサービスを目指してきたと言えます。
もっとも、掲載数が多くなったために、各社の応募数は十分なのかという批判も採用担当者からは聞こえてきます。このあたりは、売り手市場化していることも影響はあるかと思いますが、なんためにNo.1になったのかということが問われます。なにより企業からの期待にちゃんと応えるべきでしょう。
リクナビを擁護するわけではありませんが、批判を受けつつも新しい機能のリリースに挑戦するのは、業界をリードする立場のプライドも感じます。今後、マイナビも業界のルールを変えるくらいのチャレンジが期待されると言えるでしょう。
健全な競争はサービスの価値を上げ、価格を最適化すると言えます(あくまで理想的な競争が行われたら、という前提ですが)。今後、両者の競争により、より価値の高いサービスが生まれることを期待したいです。
ただ、利用する学生や企業、関係している大学教職員の気持ちもちゃんと考えて、丁寧に説明して欲しいものですね。