絵描きさんや陶芸家なんかは長生きでしょう。彼らは頭や手だけでなく、精神も使っている。「心の戦い」をしているかどうかで決まるのかもしれません。
ひとまず90歳までは現状のまま働き続け、そのときの健康状態で判断すると決めています。でも、できる限りは続けたい。そう考えるのは、親交のあった先輩たちにそういう方が多かったから。ダイエー創業者の中内?さんは経営から手を引いても、流通科学大学の学園長として生涯現役を貫いた。旭化成会長の宮崎輝さんも、82歳で在職中に亡くなった。
生涯現役のコツですか。それは肉体的・精神的・知的な健康のほか、経済的な健康も重要です。やはり「貧すれば鈍する」。
そして、「己の器量を知ること」でしょう。自分がどの程度の人間なのかを理解しなければ、オーバーワークになり、身を滅ぼすことになる。
私は一生仕事を持ったままでいたいと思っているけれども、常に「人間終わりが大事」とも胆に銘じています。いくら人生の途中で隆盛を極めても、最期にしくじったら台無しになりますからね。
※週刊ポスト2014年5月9・16日号