ライフ

「目上を敬おう」という周囲の好意を逆手にとる振る舞いはNG

 ファッションプロデューサーの植松晃士さんが、おばさまたちが美しく生きるためのアドバイスをしてくれます。今回は「女性の振る舞い」についてのお話です。

 * * *
 以下は先日、あるパーティーで私が目撃した出来事です。その女性は、多分、パーティー出席者の中で最年長者だったと思われます。仮にPさんといたしましょう。着席の会でしたので、主催者のお隣に座っておられました。

「乾杯!」と、皆さまで和やかにグラスを合わせたその時です。Pさんは「私、忘れないうちに話しておきたいことがあるのよ~」と大きな声を発した後で主催者にだけ聞こえる声で、こしょこしょと内緒話をはじめたのです。

 もちろん、私をはじめ出席者はみんな、内心では呆れておりましたが、なにしろ年長者のなさること。誰も何も申せません。お隣同士、初対面のかたも多数だったため、「どちらからいらしたんですか?」なんて、主催者不在のまま、ぎこちない会話を続けたのでした。

 たぶんPさんは、ご自分が図々しいというか、はっきりいって傍若無人な振る舞いをしていたことを、自覚しておられたと思います。なぜなら、内緒話が終わった後、みんなの顔を見渡し「(主催者さまを)独占しちゃって、ごめんなさいね~」と満面の笑みでおっしゃいましたから。

 このように「少しくらい、人に迷惑かけても、私はへっちゃらよ」的な振る舞いをすることを、“すっとぼけの術”と申します。

 要するに、あえて空気を読まないワザです。このケースでは、「ど~せ私は年上だから、皆さん仕方ないと思って許してくれるハズ」と、自分の年齢を免罪符にして、好き勝手に振る舞っていたわけですね。

 確かに、年長者のかたがたは、私たちにとっては人生の先輩であり道先案内人。だからこそ「目上のかたは敬わなければ」という周囲の好意を逆手にとって、自分勝手な振る舞いをしていいわけがありません。

 私自身、年齢を重ね、最近では何かのお集まりでも「私が最年長?」という機会が増えてまいりました。実際、周囲のかたがたが気を使ってくださるのが、哀しいくらい、伝わってきます。

「年長者」って裏を返せば、しわやシミは多くて、正直いって、「お気の毒」とも思われているのよ。この事実をオバさま本人が自覚しないといけないと思うのです。そして、周囲が気を使ってくださればくださるほど、謙虚にならないと年長者として敬われる資格がない、といったら言いすぎかしら。

 実際、その日も会が終わった後、主催者のかたから「本当にごめんなさいね。もうPさんは二度と、お呼びしないから」と耳打ちされました。人生の達人ほど、“微笑みの術”でスルーしながら、内心では怒っているものです。

 オバさん、万歳!

※女性セブン2014年6月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

年金改正法に仕込まれていた「厚生年金の減額継続」年金カット額をシミュレーション 「20年で200万円減」基礎年金もカットなら減額は1.5倍に
年金改正法に仕込まれていた「厚生年金の減額継続」年金カット額をシミュレーション 「20年で200万円減」基礎年金もカットなら減額は1.5倍に
マネーポストWEB
無期限の活動休止を発表した国分太一
「給料もらってるんだからさ〜」国分太一、若手スタッフが気遣った“良かれと思って”発言 副社長としては「即レス・フッ軽」で業界関係者から高評価
NEWSポストセブン
【動画】大谷翔平 試合中に美容液 1本1万7000円
【動画】大谷翔平 試合中に美容液 1本1万7000円
NEWSポストセブン
阿部智里氏が新作について語る(撮影/国府田利光)
阿部智里氏『皇后の碧』インタビュー「夢の世界に見せて相当シビアなことを書くファンタジーには現実を問い直す力がある」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「給料もらっているんだからさ〜」国分太一、若手スタッフが気遣った“良かれと思って”発言 副社長としては「即レス・フッ軽」で業界関係者から高評価
NEWSポストセブン
”アナウンサーらしくないアナウンサー“と評判
「笑顔でピッタリ腕を絡ませて…」元NMB48アイドルアナ・瀧山あかねと「BreakingDown」エース・細川一颯の“腕組み同棲愛”《直撃に「まさしくタイプです(笑)」》
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《TOKIO・国分太一が無期限活動休止》「演者とスタッフは“独特の距離感”だった」関係者が明かす『鉄腕DASH』現場の“特殊な事情”
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《スタッフに写真おねだりか》TOKIO・国分太一は「コンプライアンス上の問題行為が複数あった」…日本テレビに問い合わせた結果
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一
《日テレで緊急会見の意味は》TOKIO国分太一がコンプラ違反で活動休止へ 「番組降板」「副社長自らスキャンダル」の衝撃
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、今年秋の園遊会に“最速デビュー”の可能性 紀子さまの「露出を増やしたい」との思いも影響か
女性セブン
グラビアのオファーも多いと言われる中川安奈アナ(本人のインスタグラムより)
《SNSで“インナーちらり笑”》元NHK中川安奈アナが森香澄の強力ライバルに あざとキャラと確かなアナウンス技術で「ポテンシャルは森香澄以上」との指摘
週刊ポスト
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《美女モデルと不倫》妻・観月あこに「ブラックカード」を渡していた錦織圭が見せた“倹約不倫デート”「3000円のユニクロスウェットを着て駅前チェーン喫茶店で逢瀬」
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン