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中高年のむし歯リスクが深刻化 3つの予防策を専門家が指南

 今、中高年のむし歯が深刻化している。厚生労働省の平成23年度『歯科疾患実態調査』によると、45歳以降からむし歯を持つ人の割合が増加。約20年前は年齢とともにむし歯は減っていたが、現在では高齢者ほどむし歯の人が増えている。65~74歳のむし歯は1987年調査では68.1%だったのが、2011年調査では91.9%もの人がむし歯という結果に。

「昔に比べ、治療技術の進化やご自身で歯のケアをしっかりする人が増え、高齢になっても自分の歯を残せるようになってきています。しかし、その反面、高齢になるにつれ残った歯がむし歯になるリスクがあるんです」。こう話すのは、日本フィンランドむし歯予防研究会・会長で歯科医師の鈴木彰さんだ。

「最近、深刻なのは50代以降に多くなる“根面むし歯”。加齢で歯茎がやせたり、歯周病などが原因で歯と歯茎のすき間ができたりし、露出した歯の根面にできるむし歯です。根面は固いエナメル質に覆われていないので、むし歯に侵されやすいのです。

 口の中にいる常在菌のひとつであるミュータンス菌が、人が食べた糖質を栄養源にして増え、酸を放出して歯の表面のエナメル質を溶かす”脱灰”を起こし、それが長時間続いてエナメル質の破壊が進むとむし歯になります。何か物を食べた後は脱灰が必ず起こります。つまり、食後すぐにむし歯は始まっているのです。その原因となるミュータンス菌を抑制できる唯一の成分は、“キシリトール”なんです。

 キシリトールを摂取すると、ミュータンス菌が糖を摂り込んでも酸を作れなくなり、脱灰を抑制する働きがあります。さらに、ミュータンス菌の活動を抑制し、歯垢を減らすといった、他にはない働きをもつことがわかっています」(鈴木さん)

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