国内

約5000人の行方不明児童 生死に関わらず調査されぬ現状も

 栃木県旧今市市(現・日光市)の小学1年生・吉田有希ちゃん(享年7)が殺害されて8年半の年月が経ったが、6月3日、事件は急展開をみせる。同県鹿沼市在住の無職・勝又拓哉容疑者(32才)が殺人容疑で逮捕された。

 今、日本では有希ちゃんのように、学校の登下校中や放課後に遊びに出かけた際などに、突然、姿を消したり、小学校の入学時期になっても所在が確認できない子供が数多く存在する。

 幼い子供たちが何らかの理由で“行方不明”になっているのだ。2013年度の文科省調べによれば、小1から中3までの義務教育期間の子供のうち、1年以上行方がわからない「居所不明児童」が705人もいる。

 また読売新聞は2012年度に乳幼児(0才から小学校にあがるまで)を対象に全国調査したところ、所在が不明だった乳幼児は4176人だったと報じている。つまり約5000人もの子供たちが消えているということになる。

『ルポ 子どもの無縁社会』(中公新書ラクレ)の著書で、居所不明児童の問題に詳しいノンフィクション作家の石川結貴さんはこう話す。

「居所不明者は、16才以上になると除外されていくため、累計すれば全国で万単位の子供たちが行方不明のまま放置されていることになります。義務教育を終えた後の子供たちは、生きていようが死んでいようが調査さえされていないのが現状なんです」

 行方不明の児童の中には、親の借金などにより一家で失踪したケースや、夫のDVに耐えられず、妻が子供を連れて夜逃げしたケース、さらに宗教施設で暮らしているケースなど、何らかの事情で行政に届けが出せない例もあるが、誘拐や人身売買など、なんらかの事件に巻き込まれた可能性がある子供が存在しているのも事実だ。

 つまり、ある日、突然、あなたの愛するわが子が、事件に巻き込まれ、忽然と姿を消してしまうことだってありえるわけで、決して他人事でない。

 1万人を超える子供の行方がわからないという実情は、今日本が抱える深い闇のひとつといっても過言ではない。

 また有希ちゃんの事件では、逮捕後に勝又容疑者の元義父が、「家には他にもランドセルが4つあった。うち3つは女の子用のものだった」と証言している。

「そのため、勝俣容疑者には、他の殺人や誘拐などの余罪がある可能性が指摘されています」(全国紙記者)

※女性セブン2014年6月26日号

あわせて読みたい

関連キーワード

関連記事

トピックス

初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
不夜城・新宿にはホストクラブも多い(イメージ)
《悪質ホストクラブ対策でも変わらぬ”悪質実態”》紹介店舗で働いていた女性が激白「違法サービス提供を”儲かるならやるべき”と強く言われた」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン