投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の6月23日~6月27日の動きを振り返りつつ、6月30日~7月4日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は底堅い値動きが続く中、週末には一気に15000円近辺までの下落となった。週初は米国市場の強い動きや政府の成長戦略への期待感などから日経平均は戻り高値を更新した。その後はウクライナやイラク情勢の緊迫化に伴うリスク回避姿勢のほか、成長戦略発表後は、いったんは材料出尽くしのムードも。
とはいえ、高ROE銘柄などへの押し目買い意欲が強く、株主総会シーズンによって売り込みづらい状況でもあった。また、ミクシィ<2121>、サイバーダイン<7779>など中小型株の中核銘柄は失速するなか、水素ステーション関連が急動意をみせるなど、個人投資家の投資余力の大きさが窺えた。
週末については、やや先物主導によるポジション調整から日経平均は大幅な下げとなったが、25日線辺りで綺麗に下げ渋る辺りは、先高期待は後退していないだろう。また、中小型株などの値動きも急速に値を下げる格好だが、サイバーダイン<7779>は1万円割れ後に下げ渋りをみせるなど、冷静に押し目を拾う動きも意識されるところ。
週末の下げについては短期的なテクニカルで陰転シグナルが発生していたことや騰落レシオの状況から、ある程度は想定されていた値動きだろう。株主総会の集中日で参加者が限られるなど指値状況が薄いところをインデックスに絡んだ売りで下げ幅拡大した格好だろう。
今週は7月1日に日本銀行が企業短期経済観測調査(短観6月調査)を発表する。市場コンセンサスは大企業製造業DIが15と、6四半期ぶり悪化が見込まれている。そのほか、6月の中国製造業PMIも1日に予定されている。5月は50.8と5ヶ月ぶり高水準を記録していた。6月のコンセンサスは51.1であり、評価材料になる可能性があるだろう。
そのほか、米国では1日に6月のISM製造業景況指数、2日には6月のADP雇用報告、3日に6月の雇用統計が発表される。米国は4日が独立記念日で休場となるため前日の3日に雇用統計の発表となる。結果を受けつつも米国が休場となるなか、海外勢のフローは期待しづらく、今週も個別材料やテーマ銘柄などの物色が中心になりそうである。
また、今後の値動きを見極める必要はあるものの、サイバーダイン<7779>の1万円割れ後の下げ渋りなどをみると、短期筋の回転の速い物色から、やや中期スタンスの資金に切り替わった感もある。