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【ドル円週間見通し】中東地政学リスクの影響で下値限定的か

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、6月30日~7月4日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、ウクライナ情勢やイラク情勢に警戒しつつ、6月の日銀短観と米国雇用統計を見極める展開となる。ウクライナでの和平協議が難航した場合やイラクが内戦に陥った場合は、リスク回避の円買い圧力が強まることになる。
 
 しかしながら、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の改革を受けて、本邦機関投資家による外貨建て資産への投資が予想されること、米国が軍事介入しない中東の地政学的リスクは、有事のドル買いとなる可能性があることで、下値は限定的か。
 
【6月の日銀短観】(1日)
 6月調査の日銀短観は、4月の消費増税の影響を受けてやや低調な数字が予想されており、大企業・製造業の業況判断(DI)は15と、3月調査の17からの低下が見込まれている。予想通りならば、消費増税の影響として織り込み済みであることで、市場への影響は軽微だと予想される。

【地政学的リスク】
 中東では、6月27日からラマダンが始まる中で、アルカイダ系の武装組織「イラク・シリア・イスラム国」とマリキ・イラク政権との間で内戦が勃発する可能性が高まりつつある。さらに、プーチン露大統領が支援しているアサド・シリア政権が「イラク・シリア・イスラム国」に対して攻勢を強めていることで、中東の地政学的リスクの拡大に警戒する展開となる。

 中東の地政学的リスクが拡大した場合、原油価格が上昇することで、原発稼動停止で原油輸入の依存度が高い日本経済にはマイナス要因、貿易赤字の拡大により円安要因となる。ポロシェンコ・ウクライナ政権と親露武装勢力との和平協議が難航した場合、リスク回避の円買い圧力が強まることになる。

【米国の6月雇用統計】(3日)
 米国の6月の失業率の予想は6.3%で5月の6.3%と変わらず、非農業部門雇用者数は、前月比+20.9万人で、5月の+21.7万人から増加幅がやや減少することが見込まれている。予想通りならば、7月29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)(350億ドル→250億ドル)の継続が予想される。

 6月30日~7月4日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

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